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空港内を移動する旅客機には制限速度はあるの?

飛行機に乗って動き出したときに、「お、出発したか」と思います。でもこれは飛行機自体が動いたのではなくトーイング・カーが押しています。小さなトラクターのような車がボーイング777やエアバス380のような大型機を押しているのだからとても力持ちの車です。でもこの時の速度は決まっているのでしょうか。また、トーインググ・カーから切り離されて、自走しているときの速度はどのくらいなのでしょうか。今回はその点を考えたいと思います。

 

空港内で移動している時の制限速度は明確には決まってはいません。しかし際限なくスピードを出していいわけではなく、殆どの航空会社は社内規定として地上走行速度の上限を定めており、地上走行は30kt(55km/h)程度が事実上の制限速度となっています。でも、空港の広さを考えると少し遅く感じますよね。ちなみにトーイング・カーが押している時は約15km/hです。もっとスピードを上げないのはなぜでしょうか。

 

まず、安全が第一の理由です。空港内では、多くの車両や作業員が働いています。荷物を運ぶ車や給油車、整備士たちが滑走路や駐機場を行き来しており、飛行機も含めて空港内は非常に活発な場所です。もし旅客機が高速で移動してしまうと、これらの作業員や車両と衝突する危険性が高まります。そのため、滑走路以外の場所では旅客機がゆっくりと移動することで、事故のリスクを減らしています。

 

次に、乗客の快適さを守るためでもあります。飛行機が滑走路に向かって移動するとき、乗客はすでに座席に座っていますが、シートベルトサインがまだ消えていないこともあります。もしこの時、飛行機が急発進したり急ブレーキをかけたりすると、乗客が不安を感じるかもしれません。ゆっくりとスムーズに動くことで、乗客が快適に感じられるように配慮されています。

 

さらに、飛行機自体の安全性も考慮されています。空港内は滑走路に比べてスペースが限られていますし、誘導路にはカーブも存在します。スピードが速すぎると遠心力が働いてしまい乗り心地も悪くなってしまいます。

 

以上のように、空港内での旅客機の制限速度は、安全性や快適さ、そして飛行機自体を守るために各航空会社もしくは空港によって設けられています。飛行機に乗るときには、滑走路に向かうあのゆっくりとした移動にも、しっかりとした理由があることを思い出してみてください。

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