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たった400mしか滑走路が無い空港はどこ?

写真はWikipediaから参照 サバ空港

滑走路の長さは空港によって違います。例えば、羽田空港であれば2,500m、2,500m、3,360m、3,000mの4本の滑走路があります。成田空港には2,500mと4,000mの2本、関西国際空港は3,500mと4,000mの2本、中部国際空港は3,500mが2本、那覇空港は2,700mと3,000mの2本があります。主要な空港では2,500m以上の長さの滑走路があります。

 

ただ離島の空港となると滑走路はもっと短くなります。だいたい1,200mから2,000mくらいでしょうか。滑走路が短いということは、大型機が離発着することができないことを意味します。なぜなら、飛行機が離陸するのに必要な滑走路の長さは、機体の総重量によって決まるからです。

 

しかし、世界は広いものでもっと滑走路が短い空港が存在します。商用空港として世界一滑走路の短い空港は「ファンチョ・E・ヨラウスクィン飛行場」です。といってもほとんどの方はどこにある空港なのか分からないでしょう。

 

この空港はカリブ海にある小さな島にある空港です。サバ島にあるためサバ空港とも呼ばれています。サバ島はカリブ海にある島ですが、オランダ領の6つの島の中の1つでもあります。この島にある滑走路の長さが全長約400mしかありません。どのくらいの長さかというと、東海道新幹線16両編成とほぼ同じ長さになります。飛行機の離発着する滑走路にしては極めて短いです。では、なぜこんなに短いのでしょうか。

 

このサバ島というのは、人口約1,800人しかいない小さな島です。それでも近年は、スキューバダイビングやハイキングといったエコツアーが人気となっていて、外国からの観光客もやって来ます。島の真ん中にはシーナリー山があり、シーナリー山を中心に形成された急峻な火山島になっています。したがって、サバ島には平坦な土地はほとんど無く、多くは斜面となっていて、島の外周はほぼ断崖絶壁となっています。

 

空港がある場所も、海に突き出た半島の狭い平地に作られました。400mしかない滑走路ですのでオーバランすれば真っ逆さまに海に落ちます。カリブ屈指のパイロット泣かせの空港と言えるでしょう。確かに危険な空港ではありますが、観光客や島民にとっては大事な交通手段であるため無くすわけにはいかないのです。当然、滑走路が短いので利用できる航空機は小型のプロペラ機になってしまいます。ちなみに現在はDHC‐6(19人乗り)やBN-2(10人乗り)で隣りのシント・マールテン島の間を行き来しています。乗客も毎回ヒヤヒヤですね…

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