貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんで海の水はしょっぱいの? 地域によって差はあるの?

海の水って舐めるとしょっぱいですよね。これは当たり前の事なのですが、でもよくよく考えるとおかしな話です。海には数多くの淡水の河川が注ぎ込まれていることを考えると、少しづつ塩分が薄まっていきそうですがそんなことはありません。では、なぜ海の水はしょっぱいのでしょうか。科学者たちは、さまざまな源から塩分が供給されていることを突き止めています。

 

まず一つの塩の源は、私たちの足の下に広がる地面です。雨水が土や岩にしみこみ、地中の鉱物やミネラル分を少しずつ溶かしていきます。これによってさまざまな塩類や化学成分が溶け出し、水路や河川を通じて海に流れ込むのです。これが風化作用と呼ばれるプロセスです。この結果、淡水にもわずかながら塩分が含まれますが、その濃度は非常に低いため、舐めたとしても塩味を感じることはありません。

 

もう一つの塩分の源は、海底の地殻に含まれるミネラル類です。海水が海底の割れ目から地下深くに入り、加熱される過程で溶け込んだミネラルを再び海に戻します。海底には熱水の噴出口や間欠泉があり、そこからは化学物質を含んだスープのようなものが放出されます。

 

同様の影響を与えるものとして、海底火山の活動も挙げられます。高温の岩石が海水に噴出され、さまざまな化学物質が海中に放出されます。また、風も海の塩分に影響を与えます。風が陸地から海にさまざまな微粒子を運び込むことで、海水は多くの元素を含んだ複雑な液体になります。

 

これらの様々なプロセスが組み合わさり、海の水は今日知られるほとんどの元素を含んだ液体となっています。なので海の水には様々なものが溶け出しているんですね。ただし、そのうち主要な成分は食塩で、海水中の85%を占めていると言われています。海の水がしょっぱい理由は、この食塩が豊富に含まれているからなのです。

 

では、地域によってしょっぱさは変わるのでしょうか。海の水のしょっぱさはだいたいどこも変わらないようです。しかし若干の差はあります。大西洋の塩分濃度は3.53%、太平洋の塩分濃度は3.49%、インド洋は3.48%で、0.01%単位の違いしかありません。採取した場所によっても違うでしょう。なので、どこの海を舐めたとしても違いは分からないはずです。

 

しかし、極端に塩分濃度が低い場所があります。それは北極海です。春から夏にかけて大量の氷が溶けだすと塩分濃度が下がります。また、ロシアのオビ川や、カナダのマッケンジー川などの大河からたくさんの淡水が流れ込んでいるので、場所によっては濃度が2.55%まで下がるようです。ちなみにイスラエルとヨルダンに挟まれた塩湖である死海の塩分濃度は33%ですので、海の約10倍しょっぱいことになります。

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