Bank Bandの曲に「トーキョーシティーヒエラルキー」というものがあります。もしかしたら聴いたことのある方もいるかも知れません。今回はその「ヒエラルキー」という言葉の意味について考えたいと思います。
ヒエラルキー(hierarchy)はドイツ語です。もしこの言葉を英語読みしたらハイアラーキーとなります。どんな意味があるのでしょうか?
ピラミッド形に上下に序列化された位階制の秩序や組織。本来は、ローマ-カトリック教会における天使群の序列のこと。転じて、教会組織の階層秩序をさすようになった。現在では、軍隊や大組織の官僚制的秩序をいうことが多い。階層制。階統制。教階制。
引用:大辞林
ん~なんとなく分かりますかね… これを企業で考えると分かりやすいかもしれません。ピラミッドの一番上には社長1人、その下に取締役5人、その下に部長10人、その下に課長30人、その下に係長90人、その下に平社員500人という階層構造が出来上がっています。企業なので役職という階層になります。
似たようなものにインドのカースト制度があります。これもピラミッド構造です。しかしヒエラルキーとは別物と見た方がいいでしょう。カースト制度は「個人の努力では克服できない理不尽な差別構造」です。身分の低い人は生まれながらに決まっていてどんなに頑張っても身分を高くはできません。生まれながらに身分は固定されているからです。しかしヒエラルキーは組織内構造(日本では主に)を指していますので、自分の努力次第では平社員から取締役や社長になれます。
ヒエラルキーには差別的な意味合いは含まれていませんが、やはりピラミッド構造で見てしまうと上下関係を感じてしまいますよね。上に行けば行くほど権力が大きくなりますし、人数も減ってゆきます。ですからあまりポジティブな意味で用いられてはいません。
例えば、社長から「〇〇君、明日までにこの資料をまとめておいてくれ」と言われたら「無理です」とは言いにくいですよね。自分よりもヒエラルキーの上位にいる人の方が権力を持っているからです。
ピラミッドの一番上にいる人はほんの一握りです。それ以外の人はどうしても上位の人へのねたみや怒りなどの感情が表れてしまうことがありますのであまり良い意味として捉えられていないようです。
それでも、大多数の人間をまとめてゆくにはヒエラルキーのような組織的構造は必要になってきますので、「社会の構造を客観的に見たもの」がヒエラルキーと考えればよいのではないでしょうか。
みなさんの近くにも思い浮かべられるヒエラルキーは存在していますか?