私が住んでいる地域でも空き家が増えてきました。家にあるシャッターがすべて閉まり、雑草が伸び放題です。まだ住めそうなのになーと感じる家もあれば、ボロボロで資産価値の無さそうな家もあります。今後、人口減少と共に空き家も増えてゆくのは確かです。今回は空き家問題について考察したいと思います。
総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」(H27年発表)によると総住宅数6063万戸に対して、空き家の数は820万戸でした。空き家の数は5年前に比べて63万戸増加しています。最新の統計が平成25年度のものなので、現在(平成31年)ではもっと空き家が増えていることでしょう。
空き家になるとどんな問題が出てくるのでしょうか。最初に述べたように街の景観が悪くなります。景観が悪くなるのも嫌なんですが、それよりも倒壊されるともっと困りますよね。周辺住民にしてみればいい迷惑です。日本は災害が特に多い国ですので倒壊の危険度は上がりやすくなります。
また空き家が増えれば治安も悪化します。なぜなら不法侵入がしやすくなるからです。空き家はホームレスには雨風がしのげるので良い住処ですよね。また犯罪者が潜伏するにも良い場所となってしまいます(2018年には刑務所を脱走した受刑者が、向島の空き家の屋根裏に潜伏したことがありました)。
なぜ空き家は増えるのでしょうか。日本の人口は減っていますが、新築の家はどんどん建っています。日本人は中古住宅より新築住宅を購入する方が多いので、活用されない家は必然的に空き家になってしまいます。となると誰も住まなくなった家は壊すか、売るか、空き家になるかのどれかです。
空き家を壊して更地にしてしまうと、面積にもよりますが固定資産税が3倍もしくは6倍に上がってしまうので空き家をそのままにしている方が多くいます。しかしそれだと空き家が増え続けてしまいますよね。そのため2015年に空き家対策特別措置法により、倒壊の危険や周辺環境の悪化につながる可能性のある空き家(特定空き家)は、税制の優遇が無くなりました。ですから空き家を所有するメリットは無くなります。少しでも減ってくれればよいのですが…
また、空き家を売ればいいと思えますがそう簡単に売れるわけではありません。特に過疎地域に住みたいという人もほとんどいませんので、家を売りに出しても売れずにそのままということがあります。そのため中には無料で売りに出しているものもあります。下手にずっと所有して固定資産税を払うよりかは無料でも手放した方がいいということですね。
これからは、特に地方で空き家が増えることが予想できます。総務省の統計によると山梨県が一番空き家率が高く、100件のうち17件が空き家です。そのあとは四国4県が該当します。この4県でも100件のうち16件が空き家です。こんなにも空き家は増えているんですね。これからも増え続けることを考えると対策は急務と言えます。