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なぜ地下鉄には速達列車が少ないのか?

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国土交通省によると、札幌市、仙台市、東京都、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、福岡市、東京地下鉄、大阪市高速電気軌道、埼玉高速鉄道、広島高速交通により経営される鉄道路線のみを地下鉄と位置付けています。その他の鉄道会社の路線は地下の有無にかかわらず地下鉄とはみなしてはおらず、一部の地下区間という位置づけです。皆さんのお住まいの地域に地下鉄は走っているでしょうか。

 

日本において地下鉄は11都道府県で走っています。そしてこの中で速達列車を走らせているのは、東京メトロ東西線と副都心線、都営浅草線と新宿線、そして横浜市営地下鉄ブルーラインの5つになります。このほか、東京メトロ千代田線(ロマンスカー)と有楽町線(S-TRAIN)で有料の特急が走っています。

 

その他の路線では快速などの速達列車は走ってはいません。それはなぜなのか理由を考えてみてみましょう。

 

駅に退避線を作るのが難しい

速達列車を走らせるということは、どこかの駅で速達列車が前を走る各駅停車の追い抜きをしなければなりません。そのために駅に退避線を作りたいのですが、地下鉄というのは建設にも維持管理にも莫大な費用がかかる交通機関です。

 

また法律や地上の土地所有権などの問題を回避するために公道(国や地方公共団体のもの)の地下に通すことが多いのですが、公道の幅が狭い場合、地下とはいえ公道沿いの建物の所有者の土地を侵食することになり、所有者から土地を借りる、または土地を買収するなど金銭的な負担が生じます。そのため簡単に退避場所を作ることは出来ません。 

 

高速運転に不向き

速達列車は速さが求められています。しかし地下鉄は道路の下に沿って走っています。加えて、既存の地下鉄や地下街の間を網の目を縫うように掘られるため、結果としてアップダウンやカーブが激しくなり、高速運転を行なうには不向きなのです。

 

地下鉄が走っている区間は一定の乗客数を確保しやすい

地下鉄が走っている区間というのは100万人以上の人口を抱える都市圏であることがほとんどです。そのため地下鉄沿線の駅はどこも乗客が見込めます。乗降客数に大きな差がないのであれば、速達列車を走らせて通過駅の人たちの利便性を悪くするよりかは、各駅停車を走らせた方がよいのです。またダイヤもシンプルに組めるというメリットもあります。

 

このように、大きく3つの理由によって地下鉄では速達列車がほとんど走ってはいないのです。

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