貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

鉄道会社なのに1両も車両を持っていないってどういうこと?

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鉄道会社といえば鉄道を走らせるのが当たり前と考えますが、鉄道会社なのに1両も自社の車両を保有していない不思議な会社があります。それは「神戸高速鉄道」という鉄道会社です。名前の通り神戸市にあります。なんで車両が無いのに鉄道会社なんでしょうか。

 

戦後の神戸では、市外から乗り入れていた4つの民鉄(阪神・阪急・山陽電鉄・神戸電鉄)のターミナル駅が、阪神は元町、阪急は三宮、山陽電鉄は兵庫(現在廃駅)、神戸電鉄は湊川と分かれていました。当時は国鉄(現JR)しか神戸市内を貫通していなかったので大都市圏でこの状況は不便ですよね。

 

そこで神戸高速鉄道はこれら4私鉄を結び、相互直通運転をすることによって、市内交通の不便を解消し高速化するために、また京阪神と播州工業地帯及び西北神地区間の輸送力を増強することによって、各地域と産業の発展に寄与することを目的として、昭和43年に営業を開始しました。

 

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 写真:wikipediaから引用

 

ですから神戸高速鉄道が保有しているのは線路と駅だけになり、乗り入れる全線が地下を走っています。保有している駅は花隈駅、西元町駅、高速神戸駅、新開地駅、大開駅、高速長田駅になります。6つしか駅を持っていないから小さな会社なんだなと感じてしまいますが、準大手私鉄という位置づけです。

 

準大手私鉄とは、日本の私鉄の分類の一つで中小私鉄の一種です。準大手私鉄の明確な定義はないようですが、大手私鉄に対して、中小私鉄でありながら沿線地域の発展に伴って輸送規模が増大し、保有車両数や列車運転頻度などが大手私鉄に匹敵する鉄道会社のことを「準大手私鉄」と呼び慣わしてきた経緯があるようです。

 

会社の規模としては【大手私鉄 > 準大手私鉄 > 中小私鉄】という位置づけになります。準大手私鉄には、新京成電鉄、泉北高速鉄道、北大阪急行電鉄、山陽電気鉄道、そして神戸高速鉄道の5つの鉄道会社が該当します。

 

車両を持たない鉄道会社は神戸高速鉄道だけではありません。千葉ニュータウン鉄道、成田高速鉄道アクセス、成田空港高速鉄道、上飯田連絡線、中部国際空港連絡鉄道、北近畿タンゴ鉄道、奈良生駒高速鉄道、大阪港トランスポートシステム、中之島高速鉄道などなど…(まだこれら以外にもありますが)。

 

あまり知られていないですが、興味深い鉄道会社が日本各地にいろいろあるんですね。私も勉強になりました。

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