貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

空前の食パンブームなのに、パン屋がいっぱい倒産しているのはなぜ?

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ここ数年パンブームが起きていますね。特に高級食パンが人気で、多くのメディアでも取り上げられています。総務省の調べによると2011年に1世帯当たりのパンに対する消費額が米(コメ)の消費額を抜いたようで、パン食の人気はこれからも上がってゆくに違いありません。

 

そんな中、帝国データバンクの調べによると「パン製造小売」を主業としている事業者の2010年~2019年の倒産数(負債1000万円以上の法的整理)が過去最多という調査結果を出しました。
※「パン製造小売」はパン類を製造し、その場所で小売をする企業とし、移動販売式パン屋も対象に含まれる

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どうしてパンブームなのに、倒産数が多くなっているのでしょうか。理由を見てゆきます。

 

①同業他社との競争激化
高級食パン専門店がメディアなどで取り上げられると、多くの人は購入しに行きます。満足度が高ければリピーターになるでしょう。そうなると今まで買っていたお店には行かなくなってゆき売り上げも減っていくのです。

 

②コンビニの台頭
最近のコンビニは、自社ブランドのパンを出していて品質も申し分ないものとなっています。既存のパン屋に比べてコンビニは店舗数が多いですし、夜遅くまでやっていますので仕事帰りでも購入しやすくなっています。

 

③パンの利益率の低さ
パンは利益率が低く、薄利多売のビジネスです。いろんなパンをたくさん作ることで売り上げを維持していましたが、売れ残りが出てしまうこともあります。お客さんが買ってくれないと利益を出すのが難しくなります。

 

④原材料・人件費の高騰
人手不足になるとどうしても人件費が上がります。また、自然災害や政情不安などが起これば原材料の価格が高騰することがあります。パンの値段を上げると買ってくれる人が少なくなり、売り上げも減っていきます。

 

⑤後継者不足
パン製造小売業者は売上高1億円未満の小規模事業者が全体の61.9%を占めていて、家族経営の店舗も多いとの調査結果が出ています。そのため店主の高齢化や病気などで事業が続けられず、後継者がいない場合は倒産してしまうケースが出ています。

 

パンブームの裏には、既存のパン屋の苦労があったんですね。パン好きの私としてはちょっと悲しいニュースではありますが、時代の流れからこれからもパン屋さんはどんどん淘汰されていくのかもしれませんね。

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