貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

鉄道のワンマン運転のメリットとデメリットは? 地方と都市の違いは?

f:id:pointia:20200904184538j:plain

鉄道のワンマン運転とは、車掌が乗務せず、運転士一人による旅客列車の運行方法です。車掌の業務である運賃収受や発車時の安全確認などは運転士が兼務するものです。日本は少子高齢化が進み人口も年々少なくなっています。当然利用者も一部の地域を除いて減り続けています。それは鉄道会社にとって売り上げが減るのを意味しています。どうにかして経営を続けていくために人件費削減、つまりワンマン運転を行なうのです。

 

ではワンマン運転のメリットとデメリットを考えます。まずメリットですが前述のとおり人件費が削減されます。経費の中で人件費の占める割合は大きく、鉄道会社に限らず多くの会社では人件費を少しでも減らしたいと思っています。ワンマン運転が可能な路線ならそっちにシフトするのも当然の流れかもしれません。人件費削減以外にメリットはないと思われます。

 

ではデメリットはどうでしょうか。地方におけるワンマン運転では当然運転手がドアを開閉します。駅で車両が停止し、立ち上がってドアの方へ行き、安全確認をしてから開閉操作をすることになりますので、ドアが開くのが遅くなります。また、運賃徴収もする場合ドアは一番前だけ使い、運転手が運賃の精算や収受なども行う必要があります。それだけではなく災害時には一人で対応しなければなりません。運転士にとってみれば大きな負担です。

 

しかし、都市部におけるワンマン運転では少し違いがあります。例えば東京メトロ副都心線は10両編成です。どうやってワンマン運転をしているのでしょうか。都市部では駅に駅員がいたり、もし無人駅だとしても自動改札機や精算機が備わっていれば、運転手は乗客から切符を受け取ったり、乗り越し精算等をしなくて済みます。車両ドアの開閉も、駅ホームに設置されたカメラの映像が運転台で見れるため、座ったまま開閉できます。また駅にもホームドアが設置されていて安全に乗り降りできる工夫がされています。

 

地方と都市部ではワンマン運転でも全然違うんですね。今年、JR東日本が京浜東北線でのワンマン運転の検討を始めたとニュースになっていました。首都圏を走る混雑路線においてもワンマン運転の構想が出ているということです。ですから今後は他路線においてもワンマン運転、もしくは無人運転は増えていくことでしょう。それが可能なのは車内放送の自動化の普及、改札機の自動化やICカードの普及による車内精算需要の低下、防犯装置や情報通信技術の発達による車内秩序維持機能の集約化・合理化などによるところが大きいのです。

 

各社生き残りをかけて頑張っていますね。

にほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
にほんブログ村