驚異的な視聴率を叩き出した「半沢直樹2」。平均視聴率は24.7と、近年テレビの視聴率が下がっている中で多くの方が見ていたことが分かります。ドラマの中で登場したのが「伊勢志摩空港」で、これは三重県の架空の空港になります。三重県には現在空港がありません。ではどこの空港で撮影されたのでしょうか。
ロケ地に選ばれたのは茨城県にある「茨城空港」です。東京都心からは100㎞北東に位置している茨城空港は自衛隊も使用する(百里基地)共用飛行場でもあります。成田空港と羽田空港に続く関東で3番目の空港で、北関東では唯一です。栃木や埼玉北部の方は羽田や成田までかなりの距離がありますので茨城空港は利用しやすいかもしれませんね。駐車場が無料というのも嬉しいポイントです。
鉄道のアクセスは絶望的に悪く、最寄駅のJR常磐線石岡駅または鹿島臨海鉄道大洗鹿島線新鉾田駅共に、空港から10km以上離れています。これらの駅と空港間の行き来にはバスを利用する必要があります。
今年の茨城空港はというと、コロナの影響で海外路線が運休になっています。本来であれば台北、上海、西安、あとはチャーター便が中国の複数都市に就航していましたが、現在は国内便の札幌、神戸、福岡、那覇のみとなっています。この空港は自衛隊との共用ということで1時間に1便までの制限がありますので、羽田や成田のようなたくさんの航空機を飛ばすことは出来ません。まぁターミナルもこじんまりとしていますしね。
茨城空港は東京からもアクセスしやすく、コンパクトなターミナルで使い勝手も良く、離発着も多くないことからドラマや映画のロケで使われることが多いようです。「半沢直樹」の他にも、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 大晦日年越しスペシャル!! 絶対に笑ってはいけない空港24時」「おっさんずラブ-in the sky-」などでも利用されています。
伊勢志摩空港は架空の空港です。実際に三重県には空港が無く、利用するとしたら中部国際空港になります。近鉄と名鉄の特急を利用すれば約2時間です。途中の「津」からは空港まで船が出ていて45分で到着します。もし伊勢志摩に空港を造ったとしても利用者が多くは見込めないでしょう。その代わり三重県は近鉄の電車がたくさん走っていて、それに乗れば名古屋圏や大阪圏の観光客を運んできてくれます。日本各地には政治利用のためにたくさんの赤字の空港があります。そういったことを考えると、三重県が空港を造らなかったのはナイス判断と言えるのではないでしょうか。