貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なぜ日本人は時間にきっちりなの? そうなった理由は?

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日本人は諸外国に比べて時間をきっちり守る国民です。鉄道を見れば一目瞭然ではないでしょうか。時間通りに電車がやって来るので乗客はその時間までに駅のホームにいればよいのです。しかし海外では通用しません。私も海外経験がありますが、交通機関に関してはだいたい時間にルーズです。なんで日本はこんなにも時間に正確なのでしょうか。

 

江戸時代の日本は時間の概念があまりありませんでした。なぜなら時計を持っていなかったからです。持っているのはごく一部の人だけで、庶民は持っていませんでした。人々はお寺の鐘で現在の時刻を知りました。当時は、夜明けから日没までを6等分した不定時法で一刻(丑の刻など)おきに鐘が鳴る仕組みでした。当然冬場と夏場では昼の長さが違いますので、現在のように正確な時間を出すことは出来ませんでした。そのため、ヨーロッパの人々は日本人を時間にルーズな人達と述べています。

 

鉄道が開通したら定時運行が求められます。そのため明治政府は現在用いられている一日を二十四等分する定時法を採用しました。これが列車を定時で運行させるきっかけになったものです。列車に乗り遅れないよう乗客を誘導するために駅には時計が設けられ、次第に人々は時間を気にするようになりました。

 

運行密度が高くなればなるほど、時間厳守が大事になってきます。首都圏の朝夕の列車は2分に1本ホームにやって来ます。そのため列車を正確に運行させるためには秒単位での運行が求められました。それが長年続いていけば、おのずと人々は時間通りに行動していきます。列車の遅れは許されないという感覚を持ってしまったのです。福知山線脱線事故が起きたのも定刻通りに走らせないといけないという思いから大惨事を引き起こしてしまいました。

 

今回は、なぜ日本人は時間にきっちりなのか考えました。すべてではありませんが、鉄道が大きく関係していたことが分かります。この時間に関する感覚は日本人独特のものかもしれません。平成29年につくばエクスプレスで実際に起きたことですが、定刻より20秒早く発車してしまったことでお詫びをしたということがありました。当時のHPに載っていたものを少し抜粋します。

 

「定刻9時44分40秒の発車のところ、発車時刻を十分に確認しないまま、ドア閉じ操作を行い、9時44分20秒に発車(出発操作)してしまいました。これにより、駅時刻表との相違はなかったものの、定刻より約20秒早発するという事象が発生いたしました。なお、この件でお客様からの苦情等はありません。」というものです。

 

20秒早く出発したからお詫びというのがいかにも日本ぽいですが、南流山駅はJR武蔵野線とも接続していますので、武蔵野線からの乗り換えで当該の列車に乗れなくなるという可能性を考慮して、HP上でお詫びを書いたのかもしれません。都会に住んでいる人は、田舎や海外での時間の感覚とは幾分違うようですね。

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