貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

近畿3府県水物語

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琵琶湖疎水

京都府「滋賀県ってだっせぇー」

滋賀県「なんだと!琵琶湖の水、止めるぞごらぁ」

大阪府「まぁまぁお二人さん喧嘩せんといてーな」

 

たびたび琵琶湖の水を京都府に流すか流さないかで論争が起こります。もし琵琶湖の水を止めたら京都府や滋賀県はどうなるのでしょうか。今回は琵琶湖水物語に関して考えていきます。

 

琵琶湖は滋賀県にあり、日本で一番大きな湖です。この水は生活用水だけでなく、農業用や工業用にも用いられています。滋賀県だけでなく大阪府や京都府にも供給されていますので琵琶湖が無ければここまで京阪神が発展することはありませんでした。日本人の10人に1人は琵琶湖の水を利用していると言われていますのでとても重要な湖と言えるでしょう。

 

琵琶湖には117本の一級河川を含む約450本の流入河川があります。周囲の山々から多くの水が琵琶湖に集まっているんですね。では琵琶湖からの流出経路はどのくらいあるのでしょうか。

 

①瀬田川

この瀬田川は琵琶湖から流出する唯一の川になります。近畿圏の方でなければあまり聞きなれない名前ですが、京都府に入ると宇治川、大阪では淀川と名前を変えていきます。淀川は学校でも習いますので一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。瀬田川には瀬田川洗堰(せたがわあらいぜき)という堰があります。この堰を管理しているのは国土交通省

 

②琵琶湖疎水(びわこそすい)

琵琶湖疎水とは琵琶湖の水を京都府へ流すために人工的に造られた水路(疎水)のことです。第1疎水(明治時代)、第2疎水(大正時代)の2つの水路が造られました。水道用水、水力発電、灌漑、下水の掃流、工業用水など多岐にわたって使われています。また疎水を利用した水運も行われています。この疎水は京都市が管理しています。

 

③宇治発電所導水路

水力発電として利用するために造られた水路で、瀬田川から山を越えて宇治川につながっています。この導水路は瀬田川の南郷付近から宇治発電所まで続く、約11キロの水路になります。この導水路は関西電力が管理しています。

 

これら3つの流出経路はいずれも滋賀県が管理してはいないので勝手に水を止めることは出来ません。では、もし琵琶湖の水を止めることが出来たとしたらどうなるのでしょうか。大阪府と京都府の飲み水を含め、多岐にわたる水の利用が出来なくなるので滋賀県の勝利になりそうです。

 

しかし、水の流れを止めても滋賀県の勝利にはならないでしょう。なぜなら今まで流れていた水がそのまま琵琶湖にとどまってしまうなら、水があふれてしまい周辺の平野部が水浸しになってしまうからです。そのため琵琶湖の水を止めてはならないのです。ということでこれからも近畿3府県は仲良く水を分けるのが良いそうですね。

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