貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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内陸国のさらに内陸国 二重内陸国ってなに?

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リヒテンシュタインの首都ファドゥーツの街並み

「埼玉は海なし県だから、海へのあこがれが強いんだ」なんて話を耳にすることがあります。海があれば魚も取れますし、観光資源としても生かせます。また、海を埋め立てれば土地開発もできます。いろいろな活用ができます。日本には内陸県(海なし県)が8つあります。栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良が該当します。しかし世界に目を向けると内陸国がたくさんあります。その数48か国にのぼります。

 

内陸国とは陸の国境に囲まれていて、海がない国家を指します。それが48ヵ国もあることに驚きますが、もっと奥まったところにある内陸国があります。それが二重内陸国です。初めて聞かれた方も多いのではないでしょうか。この二重内陸国とは何でしょうか。

 

国境を接する全ての国が内陸国である内陸国のことを二重内陸国(doubly landlocked country)といいます。ちょっと分かり辛いですね。つまり、海に出るためには少なくとも2つの国境を超える必要がある国のことです。世界の中では2つの国しか該当しません。ウズベキスタンとリヒテンシュタインです。

 

・ウズベキスタン

中央アジアに位置している国で、周りにはカザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタンの5つの内陸国に囲まれています。海が無い上に、海と繋がる河川がない「内陸流域」という特殊な環境でもあります。国土の大半が砂漠と険しい山々で占められています。そのため、ウズベキスタンは水を確保するのに最も困難な地域のひとつと言えるでしょう。ほんの一部分だけアラル海と接していますが、アラル海は湖(塩湖)ですので、海ではありません。アラル海がカザフスタンとの国境に位置していますが、かつて世界で4番目の大きさを誇った湖も気候変動や不適切な灌漑管理によってどんどん水が干上がり、昔の10%程の面積にまで縮小してしまいました。

 

・リヒテンシュタイン

中央ヨーロッパに位置しているミニ国家の一つです。この国はスイスとオーストラリアに囲まれていて、国土全体がアルプス山脈の山がちな場所にあります。リヒテンシュタインの面積は南北に25キロメートル、東西に6キロメートルとかなり狭い国家です。日本で例えると香川県の小豆島とほぼ同じです。世界で6番目に小さい国になっています。これだけ小さな国ですので空港は存在しません。最も近い空港はお隣スイスのチューリッヒ空港になります。リヒテンシュタインの西側は国土を沿うようにライン川が流れていますので、水不足の問題は無いようです。

 

今回は、日本のように海に囲まれている国家とは対照的な二重内陸国について考えていきました。

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