貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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東京23区はものすごい格差の大きな街なの? その理由は?

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東京と言えば日本の首都で、47都道府県の中で一番お金を持っている自治体です。その中でも東京23区は特別区と呼ばれており、人口のみならず経済、娯楽、情報など多くの人や物が集まってくる場所となっています。しかし、23区の中にはお金持ちの区もあれば、そうでない区もあります。今回は23区の格差と理由を考えます。

 

格差を見るには平均所得を見ると理解しやすくなります。所得の高い区から挙げていきます(出典:厚生労働省『令和2年賃金構造基本調査』)。

 

1位 港区 1163万1584円

2位 千代田区 1005万6536円

3位 渋谷区 885万5484円

4位 中央区 684万3638円

5位 目黒区 636万1652円

6位 文京区 621万1042円

7位 世田谷区 565万3167円

8位 新宿区 555万5123円

9位 品川区 505万2427円

10位 杉並区 469万5874円

11位 豊島区 460万4990円

12位 江東区 447万9762円

13位 台東区 441万7609円

14位 大田区 432万7347円

15位 中野区 421万6755円

16位 練馬区 418万9126円

17位 墨田区 393万5175円

18位 荒川区 379万0837円

19位 北区 377万6411円

20位 江戸川区 370万9536円

21位 板橋区 368万5288円

22位 葛飾区 353万3352円

23位 足立区 347万1928円

 

港区と千代田区の所得は、ずば抜けて高いのが分かります。1位の港区には虎ノ門・新橋・汐留・芝・港南などは大規模なオフィス街、青山・赤坂・六本木・お台場などの商業エリア、麻布・白金台・高輪といった高級住宅街があり、様々な表情を持つ区となっています。

 

2位の千代田区はどうでしょうか。区の中央に皇居があり、政治の中枢でもある霞が関や永田町、日本一のオフィス街でもある丸の内や大手町、オタクの街の秋葉原、高級住宅街の麹町などがあり、こちらもバランスに富んだ区となっています。

 

上位の港区・千代田区・渋谷区・中央区などはオフィス街や商業エリアが多いので、人が住める地域は限られています。反対に下位の北区・江戸川区・板橋区・葛飾区・足立区などは住宅街が広がっており多くの人が住んでいます。

 

なぜこんなに格差が広がっているのでしょうか。それは江戸時代の町割りが影響しています。江戸城(現在の皇居)の周囲には大名屋敷や旗本屋敷がありました。特に港区・豊島区・新宿区・文京区・千代田区などに多くの屋敷がありました。明治時代になると大名屋敷は無くなり、その跡地に政治関係者や官僚、実業家などの上流階級の人たちの家が立ち並ぶようになりました。

 

家以外にも紀州藩徳川家の屋敷跡は赤坂御用地や迎賓館に、水戸藩徳川家の屋敷跡は東京ドームや後楽園遊園地に、広島藩浅野家の屋敷跡は国会議事堂に変わっています。これら屋敷跡地のあった港区や千代田区や文京区などの少ない住宅街に上流階級の人たちが代々住み続けていますので、区の所得が多いのもうなずけるのではないでしょうか。

 

対して、下町と呼ばれる江戸川区や足立区などは、関東大震災や太平洋戦争の後に地方から労働者が移り住んできたことを考えると、上位の区と差が出来るのは当然と言えるのではないでしょうか。

 

今回は、23区の格差について考えてみましたが、下位の区がとかく貧乏というのではなく、上位の港区や千代田区が全国的に見て異常だということが分かりました。

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