大坂・神戸・京都は京阪神と呼ばれており、それぞれの個性が光る都市でもあります。この3つの都市は文化や建築物だけでなくファッションにも違いがあります。どんな特徴があるのでしょうか。
大坂と言えばアニマル柄、ラメ加工、原色の服など、他の地域ではあまり見られない個性的なファッションを見ることができます。なぜこのような派手なファッションが定着したのでしょうか。戦国時代から大阪は商人の町で経済的にも栄えてきました。町が栄えていたため人も多くやって来ます。また、京都からの高い服飾技術も伝わっていたため、当時の大阪はファッションの最先端をいっていました。
町に活気があると明るい色や派手なデザインになっていきます。265年続いた江戸時代の間に大阪ファッションは醸成されていったのでしょう。19世紀半ばの江戸では天保の改革によって倹約令が出て、ぜいたく品や高価な服の着用が禁止されてしまいました。しかし大阪までは波及しなかったようで、派手な着こなしは現在にまで続いています。
神戸はどうでしょうか。神戸は港町として海外との接触がたくさんあった街です。衣食住において西洋文化がいち早く取り入れられてきました。そのため洋服が定着するのも他の地域より早かったようです。1869年(明治2年)には日本初のテーラー(紳士服専用の仕立て屋)が誕生しています。そのような環境ゆえ、神戸市民のファッションセンスは磨かれ、精錬された着こなしが出来るようになっていきました。
最後に京都を見てみましょう。京都は歴史も古く和服の本場と言っていいでしょう。染めで模様を作る京友禅や、織りで模様を作る西陣織などで作られた和服はとても美しいですね。「京の着倒れ」ということわざがあるように、昔から京都の人は衣服にたくさんのお金をかける傾向がありました。和服に関する知識がありセンス良く着こなす術を持っています。京都という環境や文化がそうさせるのかもしれません。ただし現代の京都で和服を着ている方はあまり見かけません。洋服が主流です。
和服の似合う京都ですが、現在の京都市内には大学がたくさんあり、学生が多くいる街でもあります。それを証明するものとして人口に対する学生数の割合は全国一です。学生が多いということはカジュアルなファッションの人が多いという事でもあります。
今回は大阪・神戸・京都のファッションに関して考えました。狭い京阪神ですがそれぞれ特徴がありました。現代ではその特徴は薄れてはいますが、センスは受け継がれていて面白いですね。個人的には大阪のおばちゃんが着るアニマル柄の服はこれからも着続けてほしいと思うのですが…