私達が飛行機に乗る場合、チケットに印字されている目的地に着くと確信しています。しかしいろんな事情によって目的の空港に着陸できない場合があります。目的地以外の空港に着陸することをダイバードと言います。
ダイバードする理由としては、悪天候による視界不良、滑走路の封鎖、畿内での事件や事故、燃料が不足した時、目的地の空港の運用時間が終了している時などが挙げられます。これらが発生することはほとんどありませんが、ゼロではありません。その場合どうやって代わりの空港を決めるのでしょうか。
目的地が羽田空港の場合、代替空港は成田空港になります。関西国際空港が目的空港の場合は伊丹空港になります。このように目的地から近い空港が選ばれます。しかし、近ければどこでもいいというのではなく、空港の設備や滑走路の長さなどを考慮しなければなりません。場合によっては目的空港からかなり離れた空港が選ばれる時があります。
一例として、2011年の東日本大震災の時には、羽田空港と成田空港への着陸が出来なくなったため、2つの空港に向かっていたたくさんの飛行機がダイバードしました。新千歳空港(北海道)、セントレア(愛知)、横田基地(在日米軍基地)などです。新千歳へのダイバードはかなり遠いですね。また、アメリカの航空会社は横田基地にダイバードが多かったようです。緊急事態ということで軍用飛行場が選ばれました。
ダイバードになると乗客は大変です。少し待ったらまた目的空港まで飛んでくれると期待してしまいますが、場合によってはそこで運行が終了してしまう時もありますし、ホテルに一泊して次の日に飛ぶかもしれません。予定が大幅に狂ってしまいます。
しかし航空会社側も大変です。予定が変更してしまったので飛行機やクルーのやりくりをしなおさなければなりません。乗客の苦情にも対処しなければなりません。また、乗客の宿泊場所や交通手段の確保にも動く必要があります。燃料も余分に必要になります。こういった理由から航空会社もダイバードは避けたいと思っています。
乗客側としては急に目的地が変更すると聞いて、「燃料は足りるのだろうか?」と思うかもしれません。しかし航空会社側もダイバードがあり得る事を考慮して燃料を余分に出発地で積み込んでいます。そのため途中で燃料が切れて墜落するということはないのでご安心を!