貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんで空港周辺には高い建物がないの?

羽田空港を離陸する飛行機

空港を利用すると分かりますが、周囲に高い建物は見当たりません。人が多くやって来るのだから高層のホテルやオフィスなどあっても良さそうです。しかしありません。高い建物と言えば管制塔しかありません。なぜ高い建物が無いのでしょうか。

 

なぜなら、空港周辺の建築物の高さが航空法によって制限されているからです。つまり飛行機の離着陸の際の安全を第一に考えて制限をかけているのです。ですから主要な空港にあるターミナルビルであってもせいぜい5,6階建てではないでしょうか。空港によって異なりますが、多くは滑走路の中心から半径4km以内は、高さ45m以上の建物を建ててはならない規定となっています。

 

高さ制限はとても重要で、空港の周辺では飛行機が低空で旋回することがあるからです。風が強くて着陸をやり直す時など再び空に飛び立ちますが、低空で旋回して再チャレンジします。その際高い建物があると接触してしまう恐れがあるのです。また、混雑空港では時間帯によっては空港の周辺を多くの機体が旋回することがあります。順番が来るまでグルグルと何機も回っているのです。高い建物を建てると事故を誘発しかねませんね。

 

大阪と兵庫にまたがる伊丹空港(大阪国際空港)の周辺を見てみると、あんなに大都市大阪の近くにある空港なのに以外にも高い建物はありません。羽田空港においても空港のある東京都大田区や多摩川を挟んで隣接する川崎市の東部には高い建物が建っていません。

 

しかし、羽田空港の近くには高い建物が建っているんじゃない、と疑問に思うかもしれません。確かに東京都心に行けば高層ビルがたくさん建っています。空港から半径24km以内には高さ295m以上の建物を建ててはならない規定もあります。それだと東京タワーや東京スカイツリーは24km以内なので高さ制限を超えてしまっています。これは大丈夫なのでしょうか。

 

もっとも、羽田空港の場合は高さ制限の対象地域は飛行機が通過する湾岸エリアだけですので、都心部は除外されているのです。羽田を利用された方なら分かるかもしれませんが、都心方面に離陸するとすぐに右旋回しますよね。左側の座席に座ると東京タワーや東京スカイツリーやディズニーランドなど見ることができます。

 

これは景色を見せるためにわざと旋回しているのではなく、騒音対策や、米軍の制限空域を避けるためでもありますが、個人的にはこの右旋回は東京の景色が見れるので好きですね。みなさんはどうでしょうか。

にほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
にほんブログ村