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なんでドイツ第五の都市フランクフルトがドイツの空の玄関口なの?

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日本からドイツへの直行便は首都のベルリンではなくフランクフルトになります。ドイツのフラッグ・キャリアであるルフトハンザ航空のハブ空港にもなっています。ヨーロッパにおける規模で見ても、ロンドンのヒースロー空港、パリのシャルル・ド・ゴール空港と並ぶ空港となっています。でもフランクフルトはドイツ第五の都市です。なぜここにあるのでしょうか。

 

ドイツの都市の人口を見てみましょう。ドイツの首都はベルリンで人口は361万人。二位はハンブルクで183万人。三位はミュンヘンで145万人。四位はケルンで108万人。そして五位のフランクフルトは74万人となっています。だいたい福井県と同じ人口です。そう考えると少なく感じますね。

 

ではなぜフランクフルトがドイツのメイン空港なのでしょうか。歴史が関係しています。ドイツは第二次世界大戦後、東西が二分されていました。東ドイツの首都の東ベルリンにはベルリン・シェ―ネフェルト国際空港がありました。対して西ドイツの首都はボンという都市でしたが、町の規模が小さく独自の空港を持っていませんでした。そのため近くの都市ケルンの空港(ケルン・ボン空港)を利用しています。ちなみに西ベルリンにも空港(テーゲル空港)がありましたが、規模の小ささゆえ大型機の離発着が出来ませんでした。

 

そこで西ドイツは、金融都市だったフランクフルトの空港を拡張して現在に至っています。人口自体は多くはありませんが、フランクフルトは金融資本家のロスチャイルド家を生んだ伝統を引くドイツ金融の中心地で、ドイツ証券、商品取引所のほか、ドイツ連邦銀行の本店やユーロ圏の金融政策を決める欧州中央銀行もこの地にあります。

 

ドイツには、ベルリン以外に大都市はなく、中都市が多いです。それでもヨーロッパ最大の金融センターとなっているフランクフルトは、ドイツの空の玄関口にふさわしい場所と言えるでしょう。

 

ちなみに、ドイツの中世の街並みを楽しみたい場合は、フランクフルトはお勧めしません。なぜなら第二次世界大戦で街の70%が破壊されたため、中世の町並みがほとんど失われてしまったからです。そのため、ヨーロッパではめずらしく高層ビルが多く立ち並ぶ金融都市となったのです。

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