皆さんは坂が好きですか。多くの人にとって坂は上り下りが大変なので嫌いな方が大半ではないでしょうか。それでも日本列島は山が多いので坂は切っても切り離せません。横浜や神戸、長崎や尾道などは坂が多いことで有名ですが、名前が付けられている坂というのは多くはありませんが、東京23区には坂の多くに名前が付けられているのです。なぜでしょうか。
東京23区には名前が付いた坂が700を超えるそうです。全国で見ても圧倒的な数です。名前が付いている坂に名前を付けられたのは江戸時代になります。江戸時代になると全国から人々が集まってきて、江戸城の周り一帯には武家屋敷や神社仏閣が作られます。加えて民衆が住む家も建てられていきました。
今でこそ、自分の家に住所がありますが、当時は住所といったものがありませんでした。そこで目印となる「坂」に名前を付けたのが始まりです。どんなものがあるでしょうか。
九段坂
江戸時代に坂に沿って九段になった長屋が建てられたことからこの名前が付いたようです。靖国神社沿いにあります。
神楽坂
地下鉄の駅名にもなるなど有名な坂です。坂の途中にあった高田八幡で神楽を奏したから、津久戸明神が移ってきた時この坂で神楽を奏したから、若宮八幡の神楽が聞こえたから、この坂に赤城明神の神楽堂があったからなど、いずれも神楽にちなんだ諸説があります。
宮益坂
渋谷の駅近くにある宮益坂は、渋谷駅から青山通り(国道246号)へ上がる坂道で、坂の途中にある千代田稲荷(現在の御嶽神社)にあやかって、町名を渋谷宮益町に変えたためこの名称がついたといわれます。
桜坂
東京にはいくつか桜坂とよばれるものがありますが、大田区にある桜坂は福山雅治さんが歌う「桜坂」でも有名です。名前の通り桜を見ることができます。
東郷坂
明治時代に名付けられました。日露戦争の英雄として東郷平八郎の邸宅前の坂に命名されました。
乃木坂
大日本帝国陸軍で有名な乃木希典将軍からとった名前の坂です。それまでは幽霊坂と呼ばれていました。でも多くの人が連想するのは乃木坂46ですかね。
坂の名前を挙げていったらきりがありません。そのくらい東京23区には名前が付いた坂がたくさんあるのです。不思議なことに、名前が付くだけでただの坂も味わい深くなるとおもうのですが…そう感じるのは私だけでしょうか。