北海道の地名は変わった名前の町名が多く、音威子府(おといねっぷ)、倶知安(くっちゃん)、興部(おこっぺ)、神居古潭(かむいこたん)などあり、難読地名が多い場所です。なぜならアイヌ語から取られたものが多いからです。今回は「増毛」という町にスポットを当てたいと思います。
「増毛(ましけ)って普通じゃん」と思います。しかしこれもアイヌ語から来ており、「マシュキニ」「マシュケ」(カモメの多いところ)が語源となっています。読みやすい町名ですね。増毛町は札幌から2時間くらいの距離にあり、海沿いにある街なので海産物がよく採れます。
増毛駅は留萌本線の終着駅でしたが、2017年に留萌-増毛間が廃止になってしまったため、鉄道で行くことは出来ません。しかし増毛駅の駅舎は残っていて、観光&交流施設として利用されています。そして増毛は「ぞうもう」とも読めることから、髪の毛の聖地としてその名を轟かせています。とりわけ頭髪に不安のある方には人気の駅になっています。
髪の薄い人にとって神聖な場所「増毛」ですが、この増毛町を高いところから望むことができる場所があります。その名が「毛無山」です。毛無山は小樽と余市の間にある山で、晴れた日には海を挟んだ対岸に増毛町を望むことができ、見ることができれば髪の毛が増えるという言い伝え?があります。
毛無山には展望所があり、そこの概要欄に「毛無(けなし)から増毛(ましけ)を望める」という言葉が書かれていることから、頭髪が気にかかる人たちにとっては縁起が良い場所と言われている、と紹介されています。増毛町が羨望のまなざしで見られているんですね。
さて、髪の毛にまつわる駅が他にも存在します。神奈川県と静岡県を結ぶ御殿場線の駅に「上大井(かみおおい)」という自慢気に溢れた駅名が存在します。その反対バージョンが四国の予土線にある「半家(はげ)」駅です。髪の毛のない人にとって駅名のアナウンスはグサッと刺さりますね。ちなみにサザエさんの中で波平が四国を回ったさい、半家駅の読みにショックを受けている回があるようです。
今回は髪の毛にまつわる駅を見ていきました。髪の毛に不安のない方は何とも思わないでしょうが、頭皮が心配な人にとっては増毛というところは聖地のような場所のようです。