貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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レンガの登場は人類に何をもたらしたの?

レンガ造りの東京駅

レンガとは、粘土や泥などを焼いたり乾燥させたりして作られた建築材料です。といっても日本ではあまり見かけないかもしれません。しかし、建築資材としての歴史はとても古く、紀元前4000年頃からメソポタミアやインダス文明で使われ始めています。その後、エジプト、中国、ローマ帝国などでも広く普及しました。

 

レンガは、石や木材に比べて安価で耐久性が高く、さまざまな形や色に加工できるという利点があります。レンガの登場によって、人類はより多様で美しい建築物を造ることができるようになりました。レンガは、宗教的な神殿や宮殿、文化的な図書館や劇場、社会的な橋や道路など、人類の文明を支える重要な施設の建設に貢献しました。

 

レンガはまた、暖房や冷却、防音や防火などの機能も果たしました。地震がほとんど起きない欧州やアメリカでは、耐火性に優れたレンガ造りの建物がたくさん建築されていったのです。レンガは今でも世界中で使われており、その技術やデザインは日々進化しています。レンガは、人類の歴史と文化に深く関わっている建築材料で、人類は建築の可能性を広げ、文明を発展させることができたのです。

 

では、日本ではどうなのでしょうか。実はレンガという建築材料は日本では比較的新しいものです。江戸時代には、西洋から伝わったレンガを使った建物が少しだけ存在しましたが、本格的にレンガが普及したのは明治時代以降のことです。明治政府は、近代化を推進するために、西洋式の建築物を多く建設しました。その中で、レンガは耐火性や耐久性、美観などの利点を持つ素材として重宝されました。

 

レンガ造りの建物は、鉄道駅や郵便局、学校や病院など、公共施設や文化施設に多く見られます。また、レンガは個人の住宅にも用いられました。特に、外国人居留地や貴族や官僚の邸宅などでは、洋風のレンガ造りの建物が多く建てられました。レンガは、日本の伝統的な木造建築とは異なる印象を与えるとともに、新しい文化や価値観を象徴するものとして受け入れられました。東京駅や深谷駅、横浜赤レンガ倉庫や富岡製糸場などのレンガ造りの建物が有名ですね。

 

ただ、レンガ造りは地震に弱いという一面も持っています。関東大震災の時に多くのレンガ造りの建物が倒壊したことから、日本の建築においてレンガを用いた建築物は激減しました。その後、鉄筋コンクリート造の建物が普及したことから、レンガ造りの建築物を造ることはなくなっていったのです。

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