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カースト制度とは?インドの身分制度について

インドにはカースト制度というものがあります。ヒンドゥー教における身分制度の事で、ピラミッド型の上に行けば高い身分、下に行けば行くほど低い身分になっていきます。数千年の歴史の中で形成されているものなので、簡単に取り除くことは出来ないでしょう。

 

カースト(身分)によって、結婚や職業、食事などの制限があり、生まれながらに自分の身分が決められているという、平等とはかけ離れた制度となっています。そのため社会の変化が起きにくく、差別意識を助長するといった弊害を持ち合わせています。

 

巨大な人口を支えるうえで世襲的に職業が確保されているカースト制度は、一応社会の安定につながっています。ピラミットの一番上はバラモン(司祭)になり、次にクシャトリヤ(王侯、士族)、ヴァイシャ(庶民)、シュードラ(隷属民)、そしてカースト枠外の最下層に位置付けられているダリット(不可触民)があります。隷属民を指すシュードラも酷いと思いますが、不可触民のダリットにもなると扱いは酷く、触れてはいけないだけでなく、見ることも、近づくことも、その声を聞くことさえいけないとされました。

 

このように身分や階級を表わすものを「ヴェルナ」と呼ばれています。このほかに家柄や職業を表わす「ジャーティ」というものがあり、この職業カーストは細かく分かれており2000以上になります。この細かいサブカーストは、洗濯屋や理髪店といった様々な職種に分かれているのです。しかし、都市化や近代化など社会的変化により、世襲的な職業は崩れつつあるようです。

 

人との付き合いにおいてもややこしくなっています。自分より低いカーストの人とは、食事をしない、肌を接しない、結婚しないなど様々な制約があり、とりわけ上層のカーストでは規制が厳しくなっています。人によっては、自分より低いカーストの人から声を掛けられただけで、家に戻って全身を沐浴で清めることもあります。精神的に潔癖とでも言うのでしょうか…

 

小さな村でなら相手の身分が分かるかもしれませんが、都市部では、満員の電車やバスにぎゅうぎゅう詰めとなっており、そのような規制を厳格に守ることは出来ない環境になっています。そうはいっても長年の習慣として根付いた制度ですので、偏見や差別は無くなることはないでしょう。そのため、一番下の身分の人が大逆転をしていくには、SNSでバズることが近道なのかもしれません。

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