日本では少子高齢化が急速に進んだため、2008年をピークに総人口が減少に転じていて、人口減少時代を迎えています。現在は1憶2千万台で、総務省によると2050年には日本の総人口は1億人を下回ることが予測されています。今後は人口が減少していきます。そうなると場所によっては過疎が進んでいきます。
過疎が発生しやすい場所は、都市部から距離が離れていて、かつ交通の便に劣る村落や離島などのへき地において発生しやすくなっています。生活が不便だったり、働く場所がないと特に若い人は都市部に移ってしまいます。そうなるとどんな影響が起こるのでしょうか。
これまでは農業を営み、地域の人同士で助け合って行っていましたが、助けてもらいたくても人がいないということがおきます。生活道路や農業用水の管理なども難しくなります。また、冠婚葬祭や消防団など地域社会の機能を維持することも困難になっていきます。
加えて、公共交通網が崩壊してしまいます。なぜなら利用者が少なくなるからです。鉄道やバスなどの路線の廃止や減便が起こり、余計に使い勝手が悪くなります。若い子がいないので学校が廃校になり、商店が閉まり、医療機関の維持が困難になります。生活インフラが機能しなくなっていきます。
過疎が進むと山林の管理が行き届かなくなり、畑や田んぼなどは耕作放棄地になります。そうなると、今まで人が住んでいる場所に現れなかったクマやイノシシ、シカ、スズメバチの生息域が人里まで広がり、人間に危害を加えたり、農業被害をもたらしていきます。
自治体としては、税収が落ち込む結果財政が圧迫され、行政サービスが行き届かなくなる恐れがあります。そのため地方税を高くしなければならず、住民にとってはより生活しづらい環境になっていきます。
今まで人がいたのに、人気がなくなると寂しくなるものです。そのうちだれも住む人がいなくなると消滅してしまいます。過疎化は多くの悪影響をもたらすため国や地方自治体もいろいろな対策を取ってはいるようですが、今後も人口減少に伴いそのような場所が増えていくのかもしれません。
100年後には「むかしここには人が住んでいたんだよ」と言われるようなことがあるんでしょうね。