ちょっとした疑問に答えるブログ

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“マリモ”って何? なんであんなに丸っこいの?

阿寒湖のマリモ

私が小学生だったころ、北海道の阿寒湖という湖に行った際にマリモを買ってもらいました。ビンの中に3個入っていました。1cmくらいの小さめのまりもです。当時はこの緑色の球体が何なのかよくは分かりませんでしたが、動物の一種なんだろうと結論付け、毎日水を変えていました。しかし1cmだと水替えの際に手からスルッと流れていき、排水口に行ってしまいました。そして半年もたずに3個とも流されてしまいました。話を元に戻しますが、そもそもこのマリモ(毬藻)とは何なのでしょうか。

 

漢字を見ると分かるように「藻」です。マリモは水中に生育する藻の仲間で、陸上の植物と同様に光合成をして育つ生き物ですので生長もします。マリモは最初から丸いわけではなく本来は糸状で、岩や貝殻などに付着していたり、水底に堆積したり浮遊しています。多くの人がイメージしている真ん丸のマリモは、たくさんの糸状のマリモが集まって塊をつくり、風や波に力によって水底で回転しながら丸くなっていったものなのです。

 

マリモと言えば阿寒湖が有名ですね。といっても日本でも17ヶ所マリモが生息しています。しかし有名なのは阿寒湖です。なぜでしょうか。阿寒湖以外の場所のマリモは、岩に付着していたり、ちょっとだけ塊となっているだけで丸くはないようです。直径15㎝以上の球状のマリモが群生している湖は阿寒湖とアイスランドにあるミーヴァトン湖の2ヶ所だけと言われていますので、阿寒湖のマリモは世界的に見ても珍しいんですね。

 

きれいに丸くなるには条件がそろっていなければなりません。①光合成に必要な日光がマリモに十分当たるような広く遠浅な地形であること。②マリモがその場にとどまって回転できる程度の波を作りだす風が吹くこと。③マリモの生長を促進するミネラルを豊富に含んだ温泉や冷泉の湧き出る場所であること、などです。これらの条件がそろった場所こそが阿寒湖なのです。とても貴重なものですが、マリモは生き物なので、環境が変化すると絶滅してしまう可能性があります。環境の保全は大切ですね。

 

マリモは条件が良いと1年で3~4cm生長します。ですから10年ほどで30cm以上生長する計算になります。実際30cm以上のマリモも確認されています。実際に阿寒湖に潜ってマリモを見ることは出来ません。しかし、観光遊覧船に乗って行くことのできるチュウルイ島のマリモ展示観察センターと、阿寒湖温泉街にある阿寒湖畔エコミュージアムセンターで実際のマリモを見ることができますので、あのふかふかした緑色の生マリモを見に行ってはいかがでしょうか。

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