貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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神のお告げによって大変な場所に建てる羽目になった大都市ってどこ?

写真はWikipediaから参照 メキシコシティ

神のお告げが難易度の高いものだとしたらどうしますか。果たすでしょうか。むかし神のお告げによって大変な場所に作らざるを得なかった都市があります。それがメキシコシティです。メキシコ合衆国の首都で北アメリカ屈指の大都市でもあります。このメキシコシティにどんな歴史があったのでしょうか。

 

現在のメキシコの国旗の中に描かれているものにウィツィロポチトリという鳥の神様がいます。この神様をアステカ人は部族神として崇めていました。そして彼らは自分たちの神に首都の場所を選んでもらいたかったので、神官(神に仕える人)に場所を予言してもらうことになったのですが、その場所がテスココ湖だったのです。要は湖の上に建てろということです。

 

首都の名前はテノチティトランで、1325年に建設されています。アステカ人たちは神のお告げに従い、困難に負けずに湖を干拓し都市を築いていきました。頑張って湖の中に島を作り上げたのです。この水上都市は湖に囲まれていますので敵から都市を守るのには最適だったことでしょう。

 

時は経ち、1521年にスペイン人のコルテスがこの都市を征服します。この時のテノチティトランの人口は20~30万人が住んでいたようです。侵略者のコルテスは首都の名前をテノチティトランからメキシコシティにします。その後都市を広げるためテスココ湖の干拓をし、ついには湖のほとんどを埋めてしまいました。このようにメキシコシティの大部分は埋立地の上に建てられているのです。

 

現在のメキシコシティの人口は900万人で、周辺の首都圏を含めると2200万人もの人が住んでいます。これはものすごく危険なことで、地盤が弱い場所に都市が建っていますので地震が起きた際には大災害となります。現に1985年のメキシコ地震の際には、震源地から400kmとかなり離れていたにもかかわらず、多くの建物が崩壊し、7000人ものたくさんの人が亡くなっています。

 

また、メキシコ市の水は地下水を汲み上げて使っていますので、街は年間50cm程度沈んでいます。つまり都市自体が急激な速さで地盤沈下しているのです。そのため、建物やインフラ設備にはかなりの負荷がかかっていることでしょう。このような理由があるのでメキシコシティに住むことは大きなリスクが伴うのです。

 

どの国も首都は地盤の良い場所が選ばれます。しかしメキシコシティは地盤よりも神のお告げによって建てられていますので、こればっかりは何が起きたとしても仕方ありませんね。

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