貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんでオランダってあんなに小さな国なのに、農産物輸出で第2位なの?

オランダのイメージは何でしょうか。オレンジ色、水車、海抜が低い、身長が高い、などかもしれません。国土は大きくはなく、201ヵ国中131番目の大きさになります。131番目といっても分かりにくいですね。簡単に言えばオランダは九州より少し大きい面積を持っています。あまり知られていませんが、このオランダは世界の中で農産物輸出が2位なのです。比較的小さな国なのに第2位なのはなぜでしょうか。

 

オランダはアメリカに次いで農産物の輸出が多い国です。でも普通に考えたら、ロシアやブラジルや中国など国土の広い国の方が農産物の輸出が多そうですよね。私もそう思っていました。しかしオランダが2位になれる理由があるのです。

 

オランダは遠方領土を除けば、標高の最高地点はファールス山の323mです。とても低いですよね。つまり、国土のほとんどが平地になります。平地であるがゆえに農業がしやすい場所が多くなるのです。日本のように山がちだと田んぼや畑を作るのはかなり大変ですが、オランダはほとんどが平地なので気にせず農作物を作ることができます。

 

気候も関係しています。オランダはヨーロッパの北部にあるため比較的寒い地域ですが、海洋性気候のため比較的温暖です。平均気温が10.1℃で、北海道の冬よりかは温かいため、植物の生育には良い気候となっています。例えば広大な面積を誇るロシアやカナダはあまりに寒いため、育てられる農作物が限られてしまっていますが、オランダは小さな国土でも作れる作物は多いのです。

 

でも、何でもかんでも作るというのではなく、限られた農地面積でも収穫量を上げるためにICTやIT、ロボティクス技術を活用して高い生産性を作り出しています。つまり集約型の品目の生産を効率よく栽培しているのです。例えば、花き(観賞用の植物全般)や野菜類(甜菜、じゃがいも、トマト、きゅうり、パプリカ等)を集中的に栽培しています。酪農も盛んでチーズも多く輸出しています。そのかわり農地面積を必要とする穀物類はほとんど作ることなく他国からの輸入に頼っています。

 

また、オランダはライン川の最下流にあります。その終着点にあるのがロッテルダム港です。この港はヨーロッパ最大の港で貿易拠点になっていて、ここからたくさんの農作物が各国に輸出されているのです。輸出先のほとんどが関税の無いEU加盟国になっています。

 

このように、オランダは小さな領土ながらも効率よく作物を作っているのです。オランダの栽培方法は日本のスマート農業においても参考となっているようです。オランダは小さな国ですが農業大国ってわけですね!

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