貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

飛び地の中に飛び地がある伊丹空港とは?

伊丹空港(大阪国際空港)

大阪で利便性の良い空港と言えば伊丹空港(大阪国際空港)ではないでしょうか。大阪府南部には関西国際空港がありますが大阪中心部から離れているため国内の移動なら伊丹空港を利用される方が多いです。伊丹空港は京都、大阪、神戸から成る京阪神都市圏の中心地にありますので、利用者が多く混雑する空港としても有名です。

 

伊丹空港の正式名称は大阪国際空港といいます。ですから関西以外に住んでいる方は「大阪府に空港があるんだろう」と思っている人は少なくありません。確かに大阪府にあります。しかしそれは半分正解、半分間違いです。伊丹という地名は兵庫県の市の名前です。なので大阪国際空港の所在地は大阪府でもあり兵庫県でもあるのです。なんだかややこしいですね。

 

ややこしいのは大阪府と兵庫県をまたいでいるだけではありません。空港の敷地は大阪府豊中市と大阪府池田市、そして兵庫県伊丹市の2府県3市にまたがっています。そして境界線は複雑に入り組んでいて、池田市の中に豊中市があったり、豊中市の中に池田市があったり、はたまた兵庫県伊丹市が大阪府の中にあったりとぐちゃぐちゃです。池田市の飛び地に豊中市の飛び地もあり、いわゆる2重飛び地が存在している箇所もあります。

 

なんでこんなことになったのでしょうか。もともとこの地域は「摂津国(せっつのくに)」と呼ばれていました。簡単に言えば現在の都道府県になる前の地方行政区分の一つでした。一説には豊臣秀吉が太閤検地を行なった際、農地管理の都合上、大きな村を小さな村に分けました。しかしそれによって農地を複数所有していた人の土地が別々の村になってしまいました。土地が相続されていくにつれ、所有者が複数出てくるようになり、飛び地となってしまったと言われています。

 

そして近代になると摂津国から大阪府と兵庫県に自治体が分かれ、さらに細かく豊中市、池田市、伊丹市の線引きが行われるようになりました。複雑な境界線を持っていますが、土地の整理などはせず3市は従来の境界を踏襲しています。また、伊丹空港は民営化されており、関西エアポート株式会社が管理しています。この会社が空港を一体で管理しているため、境界がぐちゃぐちゃであっても支障は無いのだそうです。

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