ちょっとした疑問に答えるブログ

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みんな移動を徒歩にすれば二酸化炭素排出が少なくなるんじゃない?

先日、名古屋にあるリニア・鉄道館に行った際、鉄道は車や飛行機よりも環境に優しいと書かれていました。「日本民営鉄道協会」のHPの中にも「鉄道が旅客1人を1km運ぶときに排出するCO2(二酸化炭素)は、自家用乗用車の7分の1、航空の5分の1にすぎません。」とありました。確かに鉄道は一度にたくさんの人を運べますし、電車であれば電気で走るのでCO2の排出が少なくて済みますので環境に優しいというのは分かります。

 

日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことになりました。カーボンニュートラルとは、二酸化炭素だけでなく、一酸化窒素、メタン、フロンガスを含む温室効果ガスの排出量と吸収&除去量の差し引きをゼロにする取り組みです。つまり温室効果ガスを100出したら、その100を吸収・除去して差し引き0にするということです。これを実行するのはとても大変と言われています。

 

では、それを実現するために移動を電車よりもCO2の排出量が少ない徒歩にすればいいのではないか、と考える方もいることでしょう。本当に徒歩ならCO2は削減されるのでしょうか。確かに電気もガソリンも要らないので削減になります。でも考えてみてください。

 

例えば、東京駅から大阪駅まで歩いてみましょう。距離はだいたい500kmで歩いたとしたら15日くらいはかかるでしょう。その15日間は食費も宿泊費もかかってしまいます。服を洗濯する必要もでてきます。対して新幹線であれば大阪まで2時間ちょっとですので食費や宿泊費はかかりません。移動だけなら徒歩に軍配があがりますが、15日間の食事を作るために火や電気を使います。機械を動かします。ホテルに泊まればお風呂に入るために水道光熱費がかかります。服を洗濯すると洗濯機を動かすために電気が必要です。

 

このように、私達の身の回りにあるものもCO2を排出しているのです。当然鉄道でも電車を動かすための電気が必要ですし、安全に動かすために夜中の保守点検でもCO2は排出されています。車両を作る際にも莫大なCO2を排出しているのです。これは自動車や飛行機でも同じです。道路や空港の建設にもCO2は排出されています。

 

みんな15日間かけて東京から大阪まで行かないのは、環境のことを考えていないのではなく、15日間も時間をとれないのと、疲れるという理由です。なので徒歩ではなく新幹線や飛行機やバスを使うのです。このようにCO2の排出が多い少ないで物事を考えるのはあまり意味がないと言えます。

 

ほんとうに2050年までにカーボンニュートラルを目指すのであれば、一人一人の意識もそうですが、革新的なイノベーションがないと実現しないと言われています。そのくらい困難な目標となっています。

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