貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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日本の7割を占める山林の役割とは? こんなに必要なの?

「日本は山ばっかじゃん」そのように感じるかもしれません。たしかに日本は世界でも有数の森林大国です。実のところ国土の約7割が山林であり日本の自然環境や文化に深く関わっており、多くの役割を果たしています。この記事では、山林が持つ主な役割について紹介します。

 

水源涵養(かんよう)機能

山林は水源涵養機能と呼ばれる、水を貯めて供給する役割を持っています。森林の植物や土壌は雨水や雪解け水を吸収し、地下水や河川にゆっくりと流れ込ませます。これにより、洪水や干ばつの防止、水質の保全、水力発電などに貢献しています。山林に降った雨の約50%は地中に浸透します。そのうち35%が地下水となり、海や川へ下っていきます。15%が木に吸い上げられて葉っぱから蒸散します。

 

炭素固定機能

山林は炭素固定機能と呼ばれる、二酸化炭素を吸収して酸素を放出する役割を持っています。森林の植物は光合成により二酸化炭素を取り込み、木材や葉などの有機物に変えて貯蔵します。これにより、大気中の二酸化炭素の量を減らし、地球温暖化の抑制に貢献しています。日本の森林は年間約3億トンの二酸化炭素を吸収しており、日本の二酸化炭素排出量の約3分の1に相当します。

 

生物多様性保全機能

山林は生物多様性保全機能と呼ばれる、多くの生き物の生息地となる役割を持っています。森林は高木や低木、草本などの植物が層をなし、さまざまな動物が食物連鎖や共生関係を築いています。これにより、種類や個体数が豊かな生物群集が形成されています。森林は生き物の宝庫と言われていますが、日本の森林には約9万種もの生き物が生息しており、そのうち約4万種は固有種と言われる日本だけに存在する種です。

 

景観形成機能

山林は景観形成機能と呼ばれる、美しい風景を作り出す役割を持っています。森林は四季折々に色や形を変え、山々や谷間、湖沼や海岸などと調和して見事な景観を演出します。これにより、人々の心を癒したり感動させたりするとともに、観光やレジャーなどの産業にも貢献しています。日本には世界遺産や国立公園などに指定された美しい森林が数多くあります。

 

日本の7割を占める山林は、水源涵養機能、炭素固定機能、生物多様性保全機能、景観形成機能などの重要な役割を果たしています。「日本は山ばっかりだな」と思われがちですが、山林が果たす役割は人間の生活や環境に欠かせないものなんですね。山林が抱える貴重な水資源があるからこそ1億2000万人もの人が住むことができるのですね。

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