貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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都心において、なぜ目黒天空庭園のような大規模な公園が造られたのか?

目黒天空庭園

大都会に住んでいると、どこを見てもビルか人が目に入ってきます。緑や空を見る機会がどうしても少なくなってしまいます。そんな都市部に住んでいる人も都心の喧騒から離れ、自然に癒される場所に行きたいと感じる方は少なくないでしょう。じつは10年ほど前(平成25年)に渋谷から1駅となりの池尻大橋という場所に大きな公園が誕生しました。それが「目黒天空庭園」です。建物で埋め尽くされた大都心になぜ大きな公園を造ることができたのでしょうか。

 

この目黒天空庭園は国道246号線沿いにあります。一般国道である246号線は青山通り、玉川通りなどの名称を持ち、東京でも屈指の交通量の多い道路になります。そして国道246号線の上には首都高速道路も通っているため、道路からはほとんど空も見えません。そして道路の周りにはたくさんの建物も建っているため公園を造る用地はないはずですが、なぜ7,000㎡もの面積を持つ公園が誕生できたのでしょうか。

 

じつはこの公園、高速道路の上に造られた公園なのです。首都高速3号線と首都高速中央環状線が交わるジャンクションの上にあります。3号線は246の上を走り、中央環状線は地下を走っています。この2つを繋げるにも高低差がかなりあります。そして都心部は用地の確保が難しいため、最小限の敷地面積で高低差を稼げる4層のループ状のジャンクションになりました。それが大橋ジャンクションです。

 

目黒天空庭園はこの大橋ジャンクションの屋上にできた公園というわけなのです。最上部は地上から35mもの高さになります。そして公園の下には首都高が走っているので大量の車が行き交っているのですが、騒音はほとんどなく、まさに都心のオアシスとなっています。庭園には芝生を基礎として約30種類の樹木や花が植えられているため都心に居ながら日常の喧噪を忘れ、心をリフレッシュさせる場所として地域の人たちに愛されています。

 

近年、東京都は緑地の保全と新たな緑地の整備に力を入れています。これは、都心部でも自然と調和した環境を提供し、市民の生活の質を向上させるための取り組みです。その一環として、公共施設や商業施設の建設において、一定の割合で緑地を確保することが求められています。

 

また、都心部の街路樹の植樹や、建物の屋上緑化なども進められており、これによって都市部でも緑の空間が拡大しています。目黒天空庭園もこれに該当しますね。これらの取り組みによって、都市環境をより豊かにし、快適な生活を提供することを目指しているということです。

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