貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なぜ福島で獲れる魚は美味しいの? その理由は?

福島県の代表的な魚 メヒカリ

この質問に答えるには、まず福島の地理と気候について少し説明しましょう。福島県は日本の東北地方に位置し、太平洋に面しています。この海域は黒潮と親潮という二つの暖流と寒流がちょうど交わる場所で、豊富な栄養分と酸素を含んでいます。このため、多種多様な魚介類が生息し、成長するのに適した環境となっているのです。

 

加えて、福島県は山がちな地形で、多くの河川が海に流れ込んでいます。これらの河川は、山から運ばれたミネラルや有機物を海に供給し、さらに海洋生物の餌となります。河川の水は、海水と混ざることで塩分濃度や温度の変化をもたらし、魚の味や食感に影響を与えます。

 

さらに、福島県は四季がはっきりしており、春から秋にかけては温暖で湿度が高く、冬は寒く乾燥しています。この気候変化は、魚の代謝や活動に影響を与え、季節ごとに旬が変わります。春はシラウオ、夏はカツオやスズキ、秋はヒラメやサンマ、冬はアンコウやメヒカリなどが福島県沖で獲れます。夏から冬にかけてはホッキ貝も旬となっています。1年を通してたくさんのおいしい魚が福島の港に水揚げされます。これらは「常磐もの」と呼ばれており、誰しもが「常磐もの」は美味しいと言います。

 

以上のように、福島で獲れる魚は美味しいのは、自然の恵みによるものです。しかし、残念なことに、2011年の東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故の影響で、福島の漁業は大きな打撃を受けました。放射性物質の拡散や風評被害により、福島産の魚介類の需要や価格が大幅に低下しました。

 

しかし、現在では福島県や国の取り組みにより、放射性物質の検査や除染、安全基準の設定などが行われ、科学的に見て福島産の魚介類は安全に食べられることが確認されています。また、消費者や流通業者の理解や協力も得られ、福島産の魚介類の販売や消費が徐々に回復しています。

 

福島で獲れる魚は美味しいだけでなく、福島の人々の暮らしや文化にも深く関わっています。福島の魚を食べることは、福島の自然や歴史、そして未来を支えることにもつながります。ぜひ、一度福島の魚を味わってみてください。きっと、その美味しさと魅力に感動されるに違いありません。

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