東京や神奈川に住んでいる方は、町田市という名前を聞いたことがあるかもしれません。サッカーのJ1チーム「町田ゼルビア」を知っている方も多いでしょう。しかし、町田市がどこにあるのかを知らない方もいるかもしれません。実は、町田市は東京都にありますが、なぜか神奈川県だと思われることが多いのです。それはどうしてでしょうか?
町田市は東京都の南東にあり、神奈川県に突き出している場所にあります。都内では東京23区、八王子市に次いで3番目に人口が多く、東京都のベッドタウンとしても知られています。しかし、地図で見ると、どうして東京なのか不思議に思うかもしれません。
もともと町田市は神奈川県にありました。町田市を含む南多摩郡(北多摩群と西多摩郡とともに三多摩と呼ばれていた)は、1871年に神奈川県に編入されました。その後、約20年間は神奈川県に属していました。
そのため、経済的にも文化的にも神奈川県との結びつきが強く、1893年に東京都に移管されるとき、多くの住民が反対しました。しかし、移管は実現しまったのですが、現在でも神奈川県時代の名残が残っています。
例えば、町田市内を走る鉄道はJR横浜線、小田急小田原線、京王相模原線など、神奈川県の地名が入っています。また、町田駅へ行くには神奈川県内を通る必要があります。さらに、町田市の主要なバス路線を運行しているのは「神奈川中央バス」です。このため、町田市が東京にあるという実感が湧きにくいものとなっています。
このような背景から、インターネット上では「町田市は再び神奈川県に戻るべき」という意見もあります。しかし、テレビニュース内で行なわれたアンケートでは、「町田市は神奈川県に戻るべき」と答えた人は6人で、「戻るべきではない」と答えた人は62人でした。この結果から、町田市の住民は東京に強い愛着を持っていることがわかります。
以前は神奈川県だった歴史があり、現在も神奈川県との結びつきが強いですが、多くの町田市民は東京に愛着を持っています。東京が一番で、東京ブランドが良いと思っているため、神奈川県だと思われることに抵抗があるのでしょう。