東京都から千葉県に向かう路線はいろいろあります。京成電鉄、東京メトロ東西線、都営新宿線、JR常磐線などです。しかし代表的なものといえばJR総武線と京葉線が挙げられます。この2つはだいたい並行して都心から千葉市に向かう路線です。私も千葉県出身ということもあって総武線と京葉線どちらもよく利用していました。並行していますが色合いはだいぶ違います。今回はこの2つの路線について考えます。
「千葉県民は総武線がストップすると家に帰れない」と言われるほど、千葉県民にとって総武線は欠かせない路線です。なぜなら総武線は都心に向かうために千葉県民の多くを乗せているからです。どういうことでしょうか。総武線は千葉駅、津田沼駅、船橋駅、西船橋駅、市川駅など千葉県の中でも利用者が多い駅を通っているからです。東京都内で人口4位の江戸川区も通っているため小岩駅からも多くの人が乗車してきます。
総武線 駅別乗降客数(2020年 令和2年度)
順位 路線名 駅名 乗降客数
1 総武線 秋葉原 504,534
2 総武線 西船橋 278,694
3 総武線 船橋 277,900
4 総武線 千葉 216,242
5 総武線 錦糸町 211,338
6 総武線 津田沼 207,824
7 総武線 新小岩 154,408
8 総武線 小岩 132,960
9 総武線 市川 122,836
10 総武線 本八幡 120,250
ベットタウンでありつつ、千葉県各地域の主要駅が総武線沿線にあることから、昔から多くの人が利用する路線となっています。対して、京葉線は東京湾沿いを沿うように千葉方面に向かいます。もとは貨物線でしたがのちに旅客線として用いることになり、1990年に全通した(東京-蘇我)比較的新しい路線です。もとは貨物線だったこともあり、沿線には工場地帯や倉庫群なども見受けられます。
総武線との決定的な違いは、高い集客力を持つ施設が京葉線沿線に多いという点です。総武線には箱モノを作る土地がありませんでしたが、京葉線沿線は埋立地が多かったので作るためのスペースがありました。
そのため多くの施設が作られていきます。東京ディズニーランド&シー、ららぽーと、幕張メッセ、千葉マリンスタジアム、イオンモール幕張新都心などです。京葉線は観光客や行楽客が多い路線となっています。
京葉線 駅別乗降客数(2020年 令和2年度)
順位 路線名 駅名 乗降客数
1 京葉線 舞浜 166,314
2 京葉線 新木場 158,322
3 京葉線 海浜幕張 136,756
4 京葉線 新浦安 114,516
5 京葉線 八丁堀 71,528
6 京葉線 南船橋 45,616
7 京葉線 稲毛海岸 43,444
8 京葉線 千葉みなと 34,382
9 京葉線 検見川浜 31,368
10 京葉線 葛西臨海公園 27,458
このように、総武線に比べて京葉線は駅別の乗降人数ではかなり低いことが分かります。同じ千葉市に向かう2路線ですが、成熟しきった総武線と、開発途中の京葉線というカラーが見えてきますね。