貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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路線バス長距離日本一はどこ?

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引用:wikipedia

 皆さんが住んでいる場所にも路線バスが走っていることでしょう。都会の路線バスは長くても1時間も走れば終点にたどり着きますよね。しかし日本一長距離を走る路線バスは6時間半をかけて走ります。奈良交通の「八木新宮線」です。奈良県の大和八木駅から、和歌山県の新宮駅までを結んでいる路線です。

 

距離は166.9キロ、停留所は167にも及び、この距離を1人で運転しています。山道を6時間以上かけて走るんですからすごいですね。

 

大和八木から終点の新宮駅までの料金は5,250円で、夜行バス並みの料金になっています。高速道路を使わない路線の中では、走行距離と走行時間共に日本一を誇っていて、奈良交通が往復3便運航しています。

 

この路線は紀伊半島を縦断するのですが、山深い場所を長時間かけて走ります。そのため3回の休憩が設けられています。五條バスセンター、上野地(谷瀬吊り橋)、十津川温泉の3箇所です。乗客だけでなく、運転手も休みたいですよね。

 

沿線には、熊野古道や葛城古道、秘湯(川湯温泉、十津川温泉、湯の峰温泉)などもあり地元の方だけでなく、観光客の需要もあります。インバウンド効果もあり、最近では外国人も見受けられるようになりました。

 

小ネタですが、この路線バスも通過する十津川村、実は1889年に大規模水害が起こりました。168人が亡くなる大災害で、村落の大部分が壊滅状態になってしまい、そこに住んでいた約2500人が北海道へ移住しました。開拓した場所の名前は「新十津川村」です。十津川村を愛していたんですね。

 

今は村から新十津川町に昇格しています。ちなみに北海道の新十津川町の方が奈良県の十津川村より人口は多いのですが、奈良県の十津川村を「母村」とよんでいるそうです。

 

話は路線バスに戻って、私がこのバスに乗ったのが学生だった2001年でした。父親に連れられて新宮から乗り、湯の峰温泉に泊まり、翌日五條バスセンターまで乗りました。このバスがこんなに長いことなど全然知らずに乗っていたんですね。いくら乗っても父が降りる気配を見せないので、「いつ降りるの?」と尋ねたところ「五條だよ」と言いました。当時は関西の地理に詳しくなく、今のようにスマホで「五條」を検索できなかったので、「ふーん」と答え、景色を楽しんでいました。

 

バスが止まったので「ようやく終点か」と思ったら、休憩でした。紀伊半島でよく食べられている「めはり寿司」を買い、バスの中で食べました。山の中を延々と走っていたので、「日本というのはほんと山国なんだな」と改めて感じました。都会育ちだった私にとってとても新鮮な旅でした。機会があったらまた乗りたいですね。

 

とてもいい路線なんですが、山の中をずっと走りますので、トイレの近い方や車酔いをしやすい方は乗らない方がいいかもしれませんね…。でもお勧めです!

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