学生の頃、バスで最寄りの駅まで行き、電車に乗って通学していました。朝ということもあって路線バスにはたくさんの人を乗せていましたが、台風の時などはさらに多くの人がバスを利用したため、ギュウギュウ詰めになることもありました。あまりに乗客が多いと、停留所でバスのドアが開いても乗ることが出来ずに、バスは無残にも乗客を残したまま走っていきます。満員でバスに乗れなかったのです。そこで疑問が浮かびました。そもそも路線バスには何人乗っても構わないのだろうかと。
高速バスには定員が設けられています。高速バスは法令上、車両の乗車定員並びに高速道路を運行する関係上、立席はできないのです。しかし路線バスは事実上、乗車定員が無視されています。街中を走る路線バスは定員以上乗せたとしても警察に捕まることはありません。なぜでしょうか。
路線バスの場合で、ギュウギュウ詰めで乗せても定員オーバーを起こすほど乗車できないように定員を定めているため、定員オーバーはあり得ないのです。路線バスの定員は車種により異なりますが、だいたい70~80名とされています。しかし実際には50~60名収容するのが限界ですので、定員オーバーになることはありません。例えると、家のお風呂に一緒に入れる上限が5名に決まっていたとしても、実際は3名が限界みたいなことです(例えが悪くすみません)。
バスはバスでも、高速バスと路線バスの「定員」に関する考え方は異なります。高速バスは座席の数以上の乗客は乗せてはいけません。もし見つかれば道路交通法の違反で処罰の対象となります。対して路線バスの場合は、座席数と吊り革の数から定員が定められていますが、これはあくまで目安に過ぎません。先にも述べたように定員数を大きく見積もった人数に設定しているのでオーバーすることはまずありません。その証拠に、いちいち運転手も定員をチェックしたりはしません。これは鉄道車両の考えと同じです。
今回はバスの定員に関して考えました。乗用車を自分1人で運転する時と、人を乗せて運転する時では加減速の感覚がだいぶ違いますが、バスの場合、運転手1人の時もあれば、60人くらい乗っている時もあります。運転の感覚もだいぶ変わることでしょう。運転手一人で運転し、料金を確認し、安全を確認しているのを見ると、運転手っていうのは大変な仕事だなと感じてしまいます。交通インフラを支えている方々には本当に感謝しかありません。