貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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ノンステップバス 地方であまり見かけないのはなぜ?

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ノンステップバス

都市部の路線バスでよく見かけるノンステップバス。このノンステップバスとは、乗降口の段差をなくし、地面から床面までの高さを30センチ程度とした、車いす使用者を含め誰もが乗り降りしやすいバスのことを指します。つまりバリアフリー対策です。

 

数十年前のバスにはステップが付いていて、乗降口2段ステップというのが主流でした。しかしバリアフリー法に抵触することや、高齢者や足が悪い方にとってこの段差は大きな障害となってきましたし、乗り降りの際にも余計な時間がかかっていました。ノンステップバスであれば、車いすでの乗降も比較的楽になりますし、乗り降りの時間も短縮できます。

 

ちなみに横浜市のサイトを見ると、平成31年3月末現在において1,513台のノンステップバスが運行しており、導入率は74.5%(市営バス96.4% 民営バス60.1%)となっているとのことです。それに対して地方においてノンステップ車はさほど見かけません。ワンステップ車が多いです。なぜでしょうか。

 

ノンステップ車の特徴として、バスの床下と地面との距離が短くなっています。そのため山間部や坂の多い路線では、床下をこすってしまう危険があります。日本の地形は山が多いため地方でのノンステップ車の導入が低くなってしまいます。都市部でも急坂がある路線もあります。その場合もノンステップ車の導入は見送られます。

 

もう一つの理由として、価格が挙げられます。大型の路線バスのノンステップ車ともなると新車で2,500万前後となります。ハイブリット車ともなるともっと高くなります。地方でよく見かける小型バスでもノンステップバスでは1,800万くらいになります。国からの補助があるとはいえ、収入が見込める路線であれば導入を検討するでしょが、地方の赤字路線では資金が無いと購入に踏み切ることは出来ません。そうなると、都会で使い古された中古のノンステップバスが市場に出てくるまで待つしかないのが現状ではないでしょうか。

 

国土交通省の調査で【ノンステップバスの導入率が高い乗り合いバス事業者ベスト30(令和2年3月31日現在)】というものがありました。今回は10位まで紹介します。

 

1位 東京都交通局/名古屋市交通局/小田急バス(100%)

4位 大阪シティバス(99.8%)

5位 京王電鉄バス(99.4%)

6位 京王バス中央(99.0%)

7位 京王バス南(98.9%)

8位 京王バス東(98.7%)

9位 朝日自動車(97.6%)

10位 琉球バス交通(97.4%)

30位 東京ベイシティ交通(82.3%)

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