ここ最近メディアなどで「関係人口」という言葉を聞くようになりました。”人口“という言葉が入っているので、人が関係するものです。どんな意味があるのでしょうか。
「関係人口」とは、生活基盤を大都市圏に置きながら、本業の空いた時間を使って、地方と継続的に関わる人たちで、そこ(地方)に暮らしてはいないものの地域の人々と多様に関わりを持つ人々のことを指します。
例えば、週中は東京でサラリーマンとして働いて、週末は新潟に行って農家の手伝いを行なうなどです。地方との関わりを持っていますよね。また、東日本大震災後に気仙沼でボランティアを行なっている人が役割を終えた後も、その地域とつながりを持っていれば関係人口に当てはまります。
近年、大都市に働き手が集まる一方で、地方においては漁業や農業などの基幹産業での人手不足が著しく、その問題を少しでも解消するために自分の地域に関係人口を増やして地域を盛り上げてほしいという願いを持っています。
では、「定住人口」とは何でしょうか?それはその地域に居住している人口です。当然その地域に居を構えた移住者も含まれます。
地方の自治体としては「関係人口」ではなく、移住によって自分の地域に定住してもらう「定住人口」を増やす方が良いのではないでしょうか?
たしかに各自治体は移住を推進しています。しかし便利な大都市に暮らしてしまうと、利便性に乏しく、文化や習慣に慣れずに田舎暮らしを諦めてしまう方が多いようです。仕事も少ないとなると田舎暮らしはハードルが高すぎるようです。
もう一つ、「交流人口」とは何でしょうか?観光やスポーツ観戦、通勤通学でその地域に訪れる人のことです。これらの人はその地域に来てお金を落としてくれるかもしれませんが、その地域の人達と密接に関わり合うことはあまりないでしょう。そこが「関係人口」との違いかもしれません。
少子高齢化が進み、地方において「定住人口」を増やすのは困難なことです。地方が衰退すれば訪れる人が少なくなるので「交流人口」も減少してゆきます。そこで地方の自治体は、地域の人々と密接に関わりを持ち、地域創生を手助けしてくれる人を求めているのです。また、地域外の人材が地域づくりの担い手となることも期待されています。