登山者数世界一の山がどこかご存知でしょうか。それは「高尾山」です。一度は耳にしたことがある山ではないでしょうか。この高尾山は東京都の八王子市にある山で、標高は599mとさほど大きな山ではありません。それでも都心から近く日帰りで行けることや東京でも自然を満喫できること、初心者でも手軽に楽しめる山として人気を博しています。
また、最近ではインバウンドによる外国人の登山客や、ミシュラン観光ガイドで3つ星を獲得したことも相まって、たくさんの人でにぎわうようになりました。そのようないくつかの要素も重なって登山者数が世界一となっており、年間の登山者数は約260万人を超えています。
そんな登山客をたくさん運んでいるのが高尾登山電鉄のケーブルカーです。路線距離は1kmですが、標高差は271mとかなり登っていきます。そして最急勾配区間は608‰(パーミル)になります。これは1km進む間に608m高度を上げるということです。ものすごく急なケーブルカーと言えるでしょう。特に高尾山駅を下るときはジェットコースターみたいに垂直に落ちていくかのようです。ちなみに日本一歴史の古いケーブルカー路線を持つ近鉄生駒鋼索線は最大勾配が333‰ですので、同じケーブルカーでも全然違うことが分かります。
急勾配ゆえに、鉄道のような四角い車両だと床面が傾きすぎてしまい、立つだけでなく座ることもままならないでしょう。そのため車両はケーブルカーの特色ともいえる平行四辺形になっています。プラットホームや車両の中の座席も階段のように設置されています。また、鋼索(ケーブル)が繋がれた車両をウインチ等で巻き上げて運転する鉄道なので車両自体にモーターは付いていません。
高尾山は低山登山の性質上、山頂までの所要時間は全行程徒歩で1時間半から2時間程度で登ることができます。ケーブルカーを使用すればわずか中腹までですが6分で到着します。最大で135人も載せることができますので多くの人を乗せることができます。また、ケーブルカーだけでなく並行するように2人乗りのリフトもありますので、行きと帰りでそれぞれに乗ることもできるのも楽しみの一つです。
高尾山は新宿から1時間弱で来ることが可能です。都心に住んでいる方は車を所持していない方も多いので、電車に乗って高尾山口駅(京王線)で下りたらすぐに山登りができる立地も魅力なのかもしれません。高尾山にはたくさんの登山コースもありますので一度登ってみるのはいかがでしょうか。