貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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日本人にとって生命線、原油を運ぶオイルタンカーとは?

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ここ数か月ガソリンの値段が騰がっているため、車を運転する方は痛い出費を強いられていますね。高いからといってガソリンを入れないわけにはいきませんので結局ガソリンスタンドに行くわけですが、現代の生活においてガソリンを含む原油は私たちの生活に欠かすことが出来ません。そのため原油を輸入するのですが、とりわけ日本は島国ということで、原油を持ってくるにはオイルタンカーが必要になります。

 

日本はとりわけ中東諸国から原油を購入しています。中東から片道12,000キロ、貨物の積み揚げに要する時間も含め1航海45~50日をかけて輸入されます。その際に用いられるのがタンカーという船です。タンカーというのは液体を運ぶ船で、オイルタンカーはその液体が原油になります。輸入された原油は、各地の製油所で陸上のタンクに荷揚げされ、石油精製の過程を経たのちに、ガソリン、軽油、ジェット燃料、灯油、ナフサ、LPGといった様々な石油製品になり全国に出荷されていきます。原油は私たちの日々の生活に欠かせないエネルギーとなっているのです。

 

タンカーが誕生したのは1885年のことです。それまでは、油は樽に入れて運ばれていましたが、ドイツ人のグリュックアウフという人が、「船自体をタンクにすればいいんじゃね」と思いつき、タンカーは生まれました。タンカーが大きくなっていったのは、石油がエネルギーの主役になっていった頃です。1971年には「出光丸」が初めて20万重量トン級のタンカーになり、1975年には55万重量トンのタンカー「ノック・ネヴィス」が建造されました。

 

大きいタンカーのほうが効率よく運べそうな気がします。しかし大きければいいというわけではありません。船が大きくなればなるほど入出港出来る港が限定され、また、通行できる航路にも制限が出てきてしまいます。そのため現在はノック・ネヴィスの半分くらいの大きさに落ち着いています。

 

タンカーの特徴は、内部が細かい部屋に分けられていることです。なぜ細かく部屋を分けるのかというと、船が揺れた時に油が前後左右に動くことで船の重心も動き、転覆してしまう恐れがあるのです。そのため小さく部屋を区切って油を入れた方が安全に航行することができます。

 

また、タンカーの船底は二重になっています。これは、船が座礁もしくは衝突した際に油の流出を防ぐためです。もし油が流出してしまうと、海がひどく汚染されてしまい、長きにわたって生態系に影響を及ぼしてしまいます。そのため二重になっています。

 

私たちが石油製品を使う時に、あまりタンカーのことは考えないでしょう。普段見ているものではないからです。それでもオイルタンカーが日夜航行しているおかげで私たち日本人の生活が豊かになっているのも事実です。こんど海に行ったさいにはタンカーを探してみてはいかがでしょうか。

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