私が小学生のころ、夏休みになると近くの公園でラジオ体操が行われていて、スタンプを押してもらうために眠たい目をこすりながらラジオ体操をした記憶があります。今でも行っているところはあるのでしょうかね。音楽を聞けばほとんどの人が動きを記憶している体操でもあります。
このラジオ体操は、1928年に国民の体力向上と健康の保持や増進を目的として生み出されたものです。幾らか変更した部分もありますが、100年近く続いてきた由緒ある体操でもあります。そんなラジオ体操ですが、第1、第2、第3があります。何が違うのでしょうか。
第1は、私たちがよく知っているもので、子供から年配者まで誰でも簡単に行えるように作ってあります。小学校から工場などの職場まで広く使われており、一般的にはラジオ体操といえば第1を指します。
第2は、ちょっと難易度があがり、職場向けとして作成されました。いわば大人向けの体操です。体を鍛え、筋力を強化することが目的で、第1よりも運動量が多くなっています。テンポも速くなっています。ムキムキポーズやピョンピョン跳ねる跳躍運動があります。全身の筋肉を使う感じですので、いきなり第2の体操をすると筋を痛めてしまうかもしれません。なので第1から行った方がいいですね。
第3は、さらに難易度があがり、腕を大回転して屈伸し、大ジャンプを行うなど躍動的かつ複雑な動きが加わります。なぜ第3が普及しないかというと、難しさもさることながら、放送時は音声で動きを伝えるのが困難だったため世に知れ渡ることはあまりなかったのです。例えば、「横・肩・上・肩・前・肩・横・下ろす」「横・肩・上・肩・前・肩・足もつけて」などなど、もはやリズムダンスです。頭の体操にもなりそうですね。なんだか錦鯉の「のりのりまさのりダンス」をやっているみたいです。
1928年から始まったラジオ体操ですが、戦後の1946年にGHQから「号令にあわせて全員で一斉に体操する姿が軍国主義的だ」と言われたため終了したことがあります。しかし、ラジオ体操復活を望む声が高まり、再び行われるようになっていきました。日本人の1億人以上の人が覚えている体操ですから、やはりラジオ体操は凄いですね。ちなみに1928年11月1日にラジオ体操が始まりましたので、11月1日はラジオ体操の日になっています。