貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なぜ江戸時代には江戸の方言が標準語になったの?

皇居(旧江戸城)二重橋

江戸時代は、江戸幕府が日本の政治を支配していた時代です。江戸幕府は、徳川家康が1603年に将軍に任命されてから、1868年に明治維新が起こるまで続きました。この時代は、日本の歴史の中でも特に文化や経済が発展した時期として知られています。

 

江戸時代には、江戸(現在の東京)が日本の中心地となりました。江戸は、当時世界でも有数の大都市で、人口は100万人を超えており、全国から多くの人々が集まってきて商業や芸能など様々な活動が行われていました。また、江戸には、幕府や大名などの政治的な権力者も居住していました。

 

江戸時代には、江戸の方言が日本全土で通じるようになりました。これは、江戸の方言が標準語として認識されるようになったからです。江戸時代前は各地の戦国大名が国を治め、各自の方言を使っていたため、標準語は存在しませんでした。

 

江戸の方言が標準語として認識されるようになった理由は、以下のようなものが考えられます。

 

- 江戸幕府の影響力:江戸幕府は、全国の大名や武士を支配していました。大名や武士は、定期的に江戸に出府することを義務付けられていました。これを「参勤交代」と呼びます。参勤交代によって、全国の大名や武士は、江戸の方言に触れる機会が増えました。また、幕府や大名の公用文書や命令なども、江戸の方言で書かれることが多くなりました。これらのことから、江戸の方言は、政治的な権威を持つ言語として認識されるようになっていったのです。

 

- 江戸文化の影響力:江戸時代には、江戸文化が全国に広まりました。江戸文化とは、商人や町人が主体となって発展した文化のことです。例えば、浮世絵や歌舞伎や落語などが有名です。これらの文化は、江戸の方言で表現されることが多くありました。また、これらの文化を楽しむために、全国から多くの人々が江戸に訪れました。これらのことから、江戸の方言は、文化的な魅力を持つ言語として認識されるようになっていきました。

 

- 江戸出身者の影響力:江戸時代には、江戸出身者が全国で活躍しました。例えば、林羅山や荻生徂徠や本居宣長などの儒学者や国学者や文人です。これらの人々は、江戸の方言で著作や講義を行いました。また、これらの人々の弟子や門人も、全国に広がりました。これらのことから、江戸の方言は、知識や教養を持つ言語として認識されるようになりました。

 

以上のように、江戸の方言が標準語として認識されたことで、日本全土で通じるようになっていったのです。

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