日本は中国、ロシア、北朝鮮に囲まれていて地政学的に良くないよね、という話を聞くことがあります。確かに様々な問題を抱えています。しかし、お隣の韓国を見るとさらに地政学的にリスクをはらんでいます。今回は韓国側から見た状況を考えてみたいと思います。
韓国は朝鮮半島の南に位置しています。アジアの大陸から伸びている朝鮮半島の先に位置しているので一応内陸国ではあるのですが、北には北朝鮮が位置しており、自由に行き来することができません。そのため、陸の孤島となっているのです。外国に行くには飛行機か船しかありません。
そして韓国は北朝鮮との国境において、軍事的な緊張が常に高まっています。北朝鮮は核兵器やミサイルを保有しているため、韓国に対する挑発や攻撃のリスクがあります。韓国はこの脅威に対抗するために、アメリカとの同盟関係を強化してはいますが、それによって中国との関係が悪化し、嫌がらせを受けています。韓国は民主主義国家ではあるものの、経済を中国に大きく依存している分、アメリカか、中国かで難しい立場に立たされているんです。
地理的にも韓国は厳しい環境にあります。韓国の西側は丘と丘陵地帯が広がっており、さほど平坦な土地がありません。平坦な土地にソウルなどの都市があり、都市部の一極集中が起きています。気温でいえば、韓国の北部に位置する首都ソウルは、1月平均気温は-2.5℃になります。ちなみに東京が4.5℃です。日本も寒い地域があるとはいえ、日本の比ではない大陸からの寒気が襲いますので、気候的に見ても厳しい環境にあると言えます。
韓国は日本と同じくエネルギー資源に恵まれていません。エネルギー供給量の約80%を輸入に依存しており、このうち石炭・石油・天然ガスに関しては、ほぼ100%が輸入物となっています。輸入がしたくても北朝鮮があって陸路ではダメということは、海上における輸入が命綱となっています。食料、肥料、エネルギーなどは95%が輸入に頼っています。
韓国は輸入した資源を加工して輸出することで経済が発展していきました。有名な輸出品として車、家電、半導体などがあります。もしエネルギーや資源が輸入できなくなると、製品を作って輸出することができなくなるので、収入源を失うことになるのです。海上封鎖でもされたらひとたまりもありませんね。なのでK-POPや韓流ドラマなどの文化は韓国国内としてではなく、世界に通用するものとして売り出すことで、コンテンツ収入だけでなく外国人の観光収入も期待しているのです。