皆さんは「ニーヨンロク」というのを耳にしたことはありますか。東京や神奈川に住んでいる方なら一度は聞いたことがあるかもしれませんね。これは国道246号線の事を指します。ニーヨンロクを知らない方からすれば「ただの国道じゃん」と思われるでしょう。しかし、何ともオシャレな道路、かつ富士山や箱根の方面に行くための主要な道路です。どんな道路なのでしょうか。
国道246号線は、東京都渋谷区から静岡県沼津市までを結ぶ一般国道です。全長は約125.3キロメートルで、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県の4つの都道府県を通ります。246は、千代田区の三宅坂交差点を起点として、赤坂、青山、表参道、渋谷などのオシャレで若者が集う街を走ります。この区間は「青山通り」と呼ばれていて、高級車やスーパーカーをよく見かけます。渋谷を過ぎると三宿や三軒茶屋などには洒落た店が並んでいて、多摩川を渡るまでは「玉川通り」という名前になります。
そして多摩川を越えると神奈川県に入ります。川崎市や横浜市では高級住宅街を通り、神奈川県の西部に入ると丹沢山地と箱根山の間の山あいに沿って走っていきます。この付近は両側に山が迫ってきます。このように、246はオシャレな街、高級住宅街、山深い場所と、いろいろな顔を持っているのです。
この道の原型は、徳川家康の時代にまでさかのぼります。徳川家康は5つの街道を整備しました。つまり「五街道」です。東海道、中山道、日光街道、甲州街道、奥州街道になります。この中の東海道は現在の国道1号にほぼ該当します。国道1号は箱根の山を登りますが、246は箱根の山を迂回するかたちで北側を通ります。当時は矢倉沢往還と呼ばれており、江戸城の赤坂門から相模国、足柄峠、沼津宿を結んでいました。つまり東海道の脇道(脇往還)として整備され、昔から多くの人と物が行き交う道となりました。
246を走る方は分かると思いますが、どこを走っていても交通量が多く、常に渋滞が発生しているイメージがあります。私の祖母が世田谷区の駒沢という場所に住んでいまして、246で祖母の家まで行っていたのですが常に渋滞しており都内は片側3車線もあるのにノロノロ運転を強いられていました。246のほとんどは多くの人が住んでいますし、トラックもたくさん走っていますので渋滞は仕方ないですね。
この246は、鉄道と並行している道路でもあり、起点の三宅坂から渋谷は地下鉄銀座線。渋谷からは東急田園都市線のほぼすべて。大和から海老名までは相鉄本線。海老名から新松田までは小田急小田原線。松田から沼津はJR御殿場線となっています。起点から終点までさまざまな鉄道がリレーしているのも珍しいのかもしれません。
今回は国道246号線について考えました。主要道路なのでもしかしたら皆さんも知らずに「ニーヨンロク」を走ったことがあるかもしれませんね。