皆さんはサファリパークに行かれたことがありますか。日本だと富士サファリパークや那須サファリパークなどが有名ですね。動物園とは違い、広大な敷地に放たれた動物をバスや車の中から観察していくのが特徴の動物園です。自由に動き回っているライオンやトラやキリンなどは、とても迫力があります。
さて、サファリパーク内での動物たちの交尾について気になったことはありませんか?動物園では、オスとメスを別々の檻に入れて管理し、出産頭数を制御する一方で、サファリパークでは動物たちは広大な敷地内を放し飼いにされているため、自然な行動として勝手に交尾する可能性があるようです。
そこで疑問が湧き上がります。「子どもが増えすぎないのだろうか?」と。もちろん、この点について各サファリパークは検討し、動物たちの自然な繁殖を制御するための対策を講じています。その対策には、穏便な方法からハードな手法までさまざまあります。
ハードな手法の一例としては、オスの輸精管をカットする「パイプカット」が挙げられます。これにより、オスは発情しても交尾してもメスは妊娠しません。また、メスにはピル(経口避妊薬)を与える方法もあります。ただし、これらの手法には副作用が伴う可能性があります。パイプカットは元に戻せないことがありますし、ピル使用によって体調が変化することもあるのです。
そのため、サファリパークでは穏便な避妊法も採用されています。例えば、動物たちの発情期に注意を払い、その期間に合わせてオスとメスを隔離することで、無理な繁殖を防いでいます。発情期の判断は、排泄物や体調などを観察することで行われ、発情期に近づいたらその個体を一時的に隔離するのです。こうした工夫によって、サファリパークでは動物たちの健康と繁殖管理がうまく調和されているのです。
私たちが何気なく見ている動物たちも、その裏で飼育員の努力があったんですね。動物も生き物ですので、健康を維持させ、繁殖を管理させるのは大変な仕事です。その中には猛獣もいますしね。次回サファリパークに行く機会がありましたら、飼育員の努力を考えながら見学すると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんね。