貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

「働いたら負けかなと思っている」を体現した国 ナウル共和国

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以前、報道番組のニート特集のインタビューの中で、とある人物が「働いたら負けかなと思ってる」と語っていたことがありました。勤勉な日本人の中でもごく少数の人は同意見の方もいるでしょう(勝ち負けはともかく…)。しかし国民の9割が働く意欲が無い国があります。それがナウル共和国です。一体どんな理由で働かないのでしょうか。

 

ナウル共和国といってもピンと来ないかもしれません。場所は太平洋上に浮かぶ小さな島です。面積は21.1平方キロメートルで、品川区と同じくらいの面積を持ち世界で3番目に小さい国です。島を4,5時間歩けば一周することが出来るような島です。ナウル共和国の総人口は13,000人です。

 

ナウル共和国は、1980年代は太平洋地域の中で最も裕福な国でした。医療、教育、公共料金はタダ。税金も取られず、新婚さんには家までプレゼントされるという有様でした。一日中食べて、寝て、遊んでいればいいという夢のような生活を送っていました。それも国民全員が裕福だったのです。なんでこんな生活が出来たのでしょうか。

 

この島は、とても珍しい成り立ちをしています。サンゴ礁にアホウドリ鳥の糞や死骸などが長期間堆積して化石化した島でした。これをグアノと言います。分かりやすく言えばリンです。島自体、リンが豊富に採れる場所だったのです。リンは化学肥料として用いられ、世界的な需要の高まりとともに輸出を盛んにしていました。それにより経済が潤っていきます。

 

1980年代当時、ナウルの一人当たりのGNP(国民総生産)は2万ドル以上だったと言われ、当時の日本(9900ドル)の約2倍、米国(1万3500ドル)の約1.5倍でしたのでいかに潤っていたかが分かりますね。リンを掘るのは出稼ぎ外国人に行なってもらえば、国民は働かなくても国は儲かるので、国民も経済的な恩恵を受けることができます。そうなると働かなくてもよくなりますよね。

 

しかし、それもリンがあっての話です。リン鉱石が枯渇すると一気に財政危機を迎えることになります。観光産業もありませんし、農業に不向きな土地でしたので、リンが枯渇するとやっていけなくなります。また30年間働いてこなかったので、今から働くこともできずぐうたら生活。そのため国は楽してお金を稼ごうと考えます。

 

①マネーロンダリング(世界中の汚れたカネを集めること。犯罪行為などで得たお金の出所を分からなくする目的がある)

②移民ビジネス(難民を受け入れる代わりに金銭的支援を受けるというもの)

③パスポート販売(お金さえ払えばパスポートを発行する テロリストであっても)

 

こういったことを行っているので国際的に非難されています。このように国民だけでなく政府も楽して儲けようと考えているんですよね…。まさしく「働いたら負け!」を体現している国のお話でした。

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