貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんで香川県の人はうどんを食べるようになったの?

日本各地に郷土料理が存在します。仙台なら牛タン、宇都宮なら餃子、大阪ならお好み焼き、などが有名です。それらに引けを取らない有名な郷土料理の一つに香川県の讃岐うどんがあります。“讃岐”というのは旧国名のことで今の香川県を指します。そこでうどんが食されていたので讃岐うどんというのですが、あんなにも食べられているのにはどんな理由があるのでしょうか。

 

皆さんは空海という人物をご存知でしょうか。この空海は平安時代の僧侶で弘法大師とも言われています。延暦804年に唐(中国)に渡り長安に行きます。長安は現在の陝西省(せんせいしょう)の西安市に相当します。唐の時代には首都があった場所です。空海はそこで小麦を使った食べ物と出会い帰国後に讃岐にうどんを伝えた、という説があります。

 

うどんを作るのに必要な物は、小麦、塩、醤油、いりこ(煮干し)でした。この4つが揃ったのが讃岐だったのです。日本では水が豊富に使えたので全国的に米を栽培する地域はたくさんありました。しかし讃岐は雨が少なく干ばつが度々発生していたので、水田で作る米を安定的に収穫できませんでした。そのため畑でできる小麦を栽培していったのです。

 

そして讃岐は瀬戸内海に接していることもあって、製塩も盛んに行われていましたし、醤油生産地も小豆島にありました。出汁の元となる品質の良いいりこも獲れることから必然的にうどん文化が発展していったのです。

 

今とは違い、昔の暮らしは厳しいものでした。食べるものにも欠くこと時代で、本来であれば米を食べたかったのでしょうが、それが難しい地域でしたので米の代わりにうどんを食べていました。そんな経緯もあって香川県では昔から食べられていたうどん作りの技術が後の世代に継承され、今に至っているのです。

 

うどんを食べるのが当たり前ということもあり、20世紀前半までは年中行事や冠婚葬祭でもうどん料理が出され、香川県の女性は「うどんが打てないようでは嫁にもいけない」という言葉もあったと言われています。それくらい香川県の人はうどんに対する愛着があるのです。いまでは「うどん県」として香川県をPRしています。

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