イオンやマクドナルドなどは誰もが知っている全国展開している企業です。しかし、ある一部の地域にしか存在しないチェーンストアーもあります。ある地域の人だけが知っているスーパーやコンビニなどです。
私も調べるまで知らなかったのですが、イトーヨーカドーもドミナント戦略を取っているスーパーです。店舗の半数以上が首都圏4都県に集中する一方、西日本の店舗はとても少なく兵庫県から西は店舗が存在しません。関東に住んでいる者としては、よく見るスーパーでしたのでてっきり全国展開しているものだと思っていました。
全国展開しない理由はさまざまですが、チェーンストアーが地域を絞って集中的に出店する経営戦略をドミナント戦略と言います。戦略というくらいなので地域密着のメリットがあるのでしょう。今回はその点を考えていきたいと思います。
・出店した地域での知名度を上げるとともに利用客からの信頼を高める
人間の心理として、自分の知っている企業を優先して利用する傾向があります。近くに知っているスーパーがあると利用頻度が上がりますね。市場の独占も可能です。
・知名度を上げることで早期の黒字化を図る
地域で知名度が上がると、客が積極的に足を運び売り上げもUPします。
・流通効率を上げるとともに運営コストを下げる
地域に店舗が集中していると、物流コストなどを下げることができる利点があります。
・地域特性を把握しやすくなり商品戦略、価格戦略、販促戦略などが立てやすくなる
北海道と沖縄では地域特性が全く違うように、地域ごとに戦略を変える必要があります。一定の地域に店舗を集約することで特性を把握しやすくなります。地域に合わせた宣伝も可能です。
・本部は地域内の複数の店舗を効率的に管理できる
全国展開していると、効率化という点で難しさが生じます。地域を絞ることで本部の管理もしやすくなります。経営指導を行うスーパーバイザーが効率良く各店舗を巡回できるのもメリットです。
しかしドミナント戦略のデメリットもあります。店舗が一定の地域に集中していますので、その地域に大災害が起きれば多くの店舗がダメージを受けます。また、店舗が集中しすぎることで店舗同士の顧客の奪い合いが起こります。そして地域の事情が変わると売り上げに大きな影響が生じます。
今後は、少子高齢化が進み人口が減っていきます。またネットでの買い物も普及していますので、企業も時代に合わせた戦略を立てる必要があるんですね。