関西圏にお住まいの方なら大阪駅=梅田駅ということはご存知だと思います。しかし初めて来た人にとってみれば「梅田ってどこ?」というふうになります。現在では地図アプリで見れば行き先が表示されて迷うことはありませんが、それが無い時代には混乱を招いたことでしょう。
加えて、大阪駅周辺の乗り換えも難易度高めです。周辺で乗り換えられる駅をピックアップしました。
・大阪駅→JR(京都線・神戸線・宝塚線・大阪環状線)
・梅田駅→Osaka Metro御堂筋線
・東梅田駅→Osaka Metro谷町線
・西梅田駅→Osaka Metro四つ橋線
・北新地駅→JR東西線
・大阪梅田駅→阪急電車・阪神電鉄
初めて来る人は混乱しそうですね。私も3年前に大阪に行った際、阪急梅田駅から歩いて四つ橋線の西梅田駅まで歩きましたが、朝のラッシュもあったせいか迷って地下道をうろうろした記憶があります。
上記の駅名から分かるように、「大阪駅」を名乗っているのはJR(旧国鉄)だけで、その他はすべて「梅田」が入った名前になっています。なんで統一しないのでしょうか。
大阪駅が誕生したのは1874(明治7)年になります。当初は市の中心部だった堂島(現在の大阪駅から少し南西)に頭端式の駅を造る予定でしたが、将来東へ線路が延伸された際に京都駅 - 神戸駅間の直通運転がしやすいよう梅田周辺に変更します。そこなら通過式の駅構造にすることが可能でした。また梅田周辺は田んぼやあぜ道が残る場所で用地買収も堂島に比べて楽だったため変更されました。現在の梅田からは想像できませんね。
政府が大阪駅と決めたのだから、私鉄の駅も大阪と呼べばよかったと思いますが、当時の大阪の人々は、自分たちが民間で鉄道を敷こうとしたのを政府に拒否され、後年自分たちで敷設した鉄道を「大阪駅」の名前を採用せず、あえて地元で親しまれていた「梅田」の名で呼んだとのことです。明治政府への反発心から来るものでした。その結果、今でもその名残が残りJRだけが大阪駅を採用して、他の鉄道は梅田を付けた駅になっていったのです。
しかし、いくら梅田が有名な場所であっても、大阪以外の人が混乱するのは目に見えています。近年では外国人も多くやって来ますので、行き先や乗り換えを説明する駅員は大変だったことでしょう。そういった混乱を避けるため阪急と阪神は「梅田駅」の頭に大阪を付けて、「大阪梅田駅」に変更しました。
今回は簡単に大阪駅と梅田駅の違いを説明しました。でもこんなごちゃごちゃした大阪駅周辺ですが、知れば知るほど好きになっていくのは私だけでしょうか。