みなさんは夜行列車に乗ったことがありますか?夜行列車は、夜間や日付をまたいで運転される列車のことで、夜行列車のうち寝台車を主体とするものは寝台列車と呼ばれます。夜の闇の中に見える街の光、床下から聞こえるガタンゴトンという音、夜明けの景色など旅情を誘う乗り物です。寝ているうちに目的地に着いているのも魅力的ですね。私も90年代に初めて夜行列車(スーパーおおぞら)に乗ったワクワク感を鮮明に憶えています。
そんな夜行列車ですが、国鉄民営化に伴い1990~2000年代にかけて次々と廃止されていきました。はやぶさ、さくら、なは、あけぼの…などなどブルートレインが無くなっていき、豪華が売りの北斗星、トワイライトエクスプレス、カシオペアなども廃止されてしまいました。残念ではありますね。現在ではサンライズ瀬戸、出雲が定期で運転していて気軽に乗れる夜行列車です。
では、なぜここまで夜行列車が少なくなってしまったのでしょうか。寝台列車に乗車する際には乗車券+特急券+寝台券が必要になります。東京-大阪間でもB寝台で2万弱かかってしまいます。夜行バスなら3000円以下で行けるものもありますし、新幹線や飛行機も夜行列車より安く行くことができます。値段では太刀打ちできません。
また国鉄が民営化され、それぞれのエリアを跨いで運行させるのに調整が求められますし、第三セクターの区間を通せばより値段が上乗せされてしまいます。
夜行列車は必然的に長時間運転を強いられるため、交代要員も多く確保しなければなりませんし、乗務にかかわる時間分の人件費もかかってしまいます。その反面、乗車人数が少ないので収益が出にくいという側面もあります。
さらに夜行列車はターミナル駅に発着します。どうしても朝到着する時は朝のラッシュにぶつかってしまいますので、その点でもダイヤの調整が難しいのかもしれません。その他、夜間に列車を走らすとなれば保線との調整も求められるでしょう。このような理由を考えると、昔は本当に多くの夜行列車を走らせていたんだなと感心してしまいます。
ヨーロッパでも一時期夜行列車がどんどん廃止されていったようですが、今少しづつ復活していっています。その理由は温室効果ガスの削減のためです。列車は飛行機よりも大幅に温室効果ガスが少ないとのことで、フランスでは国が130億円の支援を行って運行を増やしていくようです。温暖化ストップのために待ったなしということですね。日本でも政府の援助があれば、もしかしたら夜行列車が復活するかもしれないですが…ちょっと期待です。