貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

ミニ新幹線って、なんで山形と秋田だけなの? 他にできないの?

在来線区間を走る秋田新幹線E6系

四国のJR予土線(宇和島~窪川間)に0系新幹線を模した鉄道ホビートレイン、もとい「なんちゃって新幹線」が走っています。新幹線は地方都市にとって憧れとなっています。日本には多くの新幹線が走っていますが、山形新幹線と秋田新幹線にはミニ新幹線といわれるものが走っています。しかしあくまで新幹線ではなく在来線の特急という扱いになります。なぜなら在来線区間を走っているからです。

 

普通、新幹線は在来線とは別の線路を走っています。JRの在来線の線路幅は1,067mmで、新幹線は1,435mmです。なので直通運転は出来ません。しかし山形新幹線と秋田新幹線は在来線の線路幅を1,067mmから1,435mmに付け替えることで、新幹線(ミニ新幹線)が在来線に直通することが可能となったのです。福島駅や盛岡駅で乗り換える必要が無くなりました。この方法なら他の地域でもミニ新幹線を採用すればいいのに、と感じてしまいます。なんで無いのでしょうか。

 

実は初期費用がかかりすぎてしまうのです。線路を付け替えるということは、その期間在来線を運休させなければなりません。1年くらい運休させる必要があります。その間は代行バスを走らせる必要があります。

 

また車両の大きさを在来線の大きさにあわせないといけません。実際、山形新幹線や秋田新幹線は在来線を走るため普通の新幹線よりも小さく造られています。小さくしないと駅のホームにぶつかってしまうのです。加えて、今まで走っていた在来線は線路の幅が広くなったので、足回りを全て1,435mmに対応できる車輪に付け替える必要がでてきます。

 

当然、全国を走っている貨物列車は1,067mm対応の車輪ですので、1,435mmである区間を走ることは出来ません。線路幅が違うということは他の在来線との直通運転もできなくなります。

 

ミニ新幹線は在来線区間に入るとパフォーマンスを下げてしまいます。どういう事でしょうか。在来線の線形はフル規格の新幹線の線形とは違い、うねうねしています。山を避けるように線路を敷いているからです。ですからどうしてもスピードを落とさなくてはいけません。また、在来線区間には踏切も存在していますので、最高速度を制限する必要も出てきます。

 

一部区間では、第三軌条といってレールが3本あり、在来線とミニ新幹線がどちらも走れる部分がありますが、分岐ポイントの構造が複雑になるため保守点検は大変になります。

 

こういった理由のため、ミニ新幹線は他の地域では採用されなくなりました。多くのローカル線が赤字の中、今後ミニ新幹線が登場するとは考えられないですね。

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